ラナンキュラス (ページ22)

今日:1 hit、昨日:42 hit、合計:82,834 hit

22 ページ22

始業を伝えるチャイムが鳴ると
みんな一斉に立ち上がり窓際へ体を向ける

「黒田くん、朝礼だから立って？」

Aさんに言われて慌てて立つと
当番の人だろうか、皆さんおはようございます！と
挨拶をして朝礼が始まる
今日の予定や連絡事項などを話した後

「じゃ、最後に営業部に新しく配属されたみんなに
　一言挨拶して貰いましょう！じゃ、集まってー」

当番の一言で前に集められた俺たち
営業部に配属された俺を含めて6人の新入社員が挨拶をする

「本日からお世話になります檜山光成と申します。
　出身は千葉で…」

光成の挨拶が終わり最後は俺の番
一歩前に出て短く深呼吸

『初めまして営業2課に配属になりました黒田光輝です！黒ちゃんです！
　えー黒ちゃんって呼ばれてて皆さんにも呼んで頂けたら嬉しいです！
　1日も早く戦力になれるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします！』

せっかくだからみんなに早く覚えてもらいたいと
あだ名のくだりを入れてみたら結構受けは良かったみたいで
みんな笑ってくれて掴みはバッチリ！なんて思ってたんだけど
Aさんの隣に戻り横目で顔をみると
少し複雑そうな顔をしていたのが気になった

朝礼も終わると直ぐに
Aさんの元に元木さんがやってきた

「A」

「あ、湧。ごめんね急に」

「いーや大丈夫！じゃ、黒ちゃん行こうか！」

急に元木さんから行こうかと言われて
何処へ？と戸惑う俺に申し訳なさそうな顔をするAさん

「黒田くんごめんね。
　急にクライアントの打ち合わせになっちゃって
　午前中は湧と一緒に檜山くんと他部署に挨拶周りしてきて」

えーなんで？なんて内心思ったけど、
入りたての俺を一人にする訳にはいかなかったんだろう

『わかりました。元木さんよろしくお願いします！』

「じゃ、湧、よろしくね」

「おー任せとけって！」

準備できたら来いよと俺に言うと先を歩く元木さん
急いで準備して元木さんの背中を追った