ラナンキュラス (ページ15)

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一人暮らしを始めて2週間が過ぎた頃
ついにやってきた4月1日
入社式の会場であるホテルに着き
案内板に従い式典会場に入ると

「おーい黒田くーん！」

俺を呼ぶ声に振り返ると長瀬と光成がいて
“おー”と手を上げると2人の元に駆け寄る

『めっちゃ人多くてビックリしたんだけど』

「内定式ではリモート組はいなかったからね」

「ほんと知らない人結構いるね！」

2人と少し雑談しそろそろ席に行こーぜなんて言いながら
長瀬が席次表を開き各々自分の席はどこかなと探していると
見事に3人固まってて思わず笑ってしまった

入社式が始まり社長挨拶に入社辞令の交付がある
人数の関係で代表者が辞令を受け取るから
オリエンテーションまでどの部署かはお楽しみ
その後代表者決意表明、記念撮影と進み式典は無事終了した

休憩を挟み会場を移動し大きな会議室に行くと
待っていたのは青木さん

「あ、檜山くん！」

「青木じゃん」

てかさ、思ったんだけど
光成のが青木さんの先輩っぽく見えるの俺だけかな？

「光輝、前に話した俺の先輩の青木」

『黒田です！よろしくお願いします』

「人事部の青木です。こちらこそよろしくね！
　一緒に働けるの楽しみ！」

もうすぐ休憩時間が終わるから
今日は軽く挨拶だけにしたけど
早めに顔見知りになれてラッキーだ

青木さんが司会席に立つと
今後のスケジュールの確認をし
いよいよ配属先の発表だ

「配属先の発表ですが代表者が受け取った
　皆さんの入社辞令を今からお渡しします」

青木さんの案内で順に配布される
辞令を受け取り中身を見ると
“営業部営業2課の勤務を命ずる”文字

営業2課って…もしかして

「光輝何処だった？俺、営業1課」

隣に座る光成が小声で尋ねてくる

『営業2課』

「え？マジ？同じ営業じゃん！
　てか光輝さ、あの人と同じ課じゃね？」

『勘違いしてなければそう。これ夢じゃないよね？』

「大丈夫、現実だから」

辞令の確認も落ち着き
青木さんの声が会場に再び響き渡る

「続いて我が社のエルダー制度ですが…」

青木さんの説明が終わり
部門順にスライドに映し出されたエルダー名
なかなかこない営業部にウズウズする

「では最後に営業部です」

切り替わったスライドで自分の名前を探していくと
俺の名前の横に書かれた“AA”
課も一緒でしかも俺のエルダーとか
運使い過ぎて俺、明日死ぬとかないよね？