「大好きなあなたとなら」<まろん×リラ> ページ6
リラ side
※オメガバース注意
※事後表現あり
※エチエチかもね
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体の中を駆け回る熱。
正常な判断が出来なくなる。
なんでこんなときに限って番である彼女は居ないのだろうか。
大好きな人が、大好きな匂いがそばにいないだけで涙が出てくる。
いつからこんなに弱くなったのだろうか。
いくら涙を流しても、体の熱が消える訳もなく。
どんどんと溜まっていく。
仕事に出た彼女の香りを傍に置いておこうと、重い体を持ち上げ、彼女の衣服をかき集める。
先程まで横になっていた場所を中心に、サークル状に"巣"を作り、その中に体をキュッと丸める。
大好きな人の匂いに包まれれば、この体の熱も覚めるのではないかと思ったが、全く冷めず、むしろどんどん大きくなっていく。
冷めない熱にえぐえぐと泣きながら、番が帰ってくるのを待つ。
気付けば、明るかった外も、茜色に染まっていた。
昼よりは熱も冷めたが、まだ熱い。
口からは嗚咽と熱い息だけが漏れていく。
未だ帰ってこない番を待ち、布団の中でモゾモゾと動く。
ガチャ
と静かな家に扉の開く音が響く。
トントンと足音が近づいてくる。
すっと部屋の扉が開かれる。
逆光で顔はほぼ見えないが、大好きな匂いが漂ってくる。
「あっま……
リラちゃん大丈夫?」
一瞬、きゅっと顔を顰めたかと思うと、すぐに笑顔に戻り、僕の頭を撫でてくる。
返事をしようとしても、口から出るのは熱い息だけ。
それでも必死に首をコクコクと縦に振る。
「顔真っ赤…
かわいっ………」
するりと頬を撫でられる。
自分の体より冷たいその手が心地よく、すりすりと擦り寄ってしまう。
『まろんせんぱっ……
からだ…あつい……』
頬に当てられている手をぎゅっと掴み、じっとまろん先輩を見つめる。
「熱い??
ふふっ、いいよ
それ治してあげる」
まろん先輩は少し顔を赤らめたかと思うと、僕のおでこに優しくキスをした。
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作者名:含羞草 | 作成日時:2020年8月2日 22時