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「バレていた」〈まろん×翠雨〉 ページ1
翠雨 side
良い子は眠る丑三つ時。
私は隣で気持ちよさそうに眠る恋人(まろん)に、銃を向けていた。
殺す覚悟はあったし、シュミレーションもしてきた。
けど、いざ、目の前にすると上手く手が動かない。
銃を持つ手は震え、照準が合わない。
震える手で撃った弾は、少しずれ、耳元を掠めるように着弾した。
まろんは、その音で目を覚まし、半泣きで銃を構える私を見て、
「いいよ、殺して」
と、優しい声で言った。
その言葉に驚き、固まっている私の手を取り、自分のこめかみへと、銃口を当て、一言。
「ほら、殺していいよ?スパイさん」
と、笑って言った。
全て、バレていた。
私がまろんを殺そうといていたことも、私が敵国からのスパイだということも、
………私の家族が人質に取られていることも。
全て。
『ごめんなさい』
既に隣で冷たくなっているまろんに向かって言う。
"すぐに追いかけるから、
待ってて?"
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作者名:含羞草 | 作成日時:2020年8月2日 22時