青の人 ページ31
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ゾムは綺麗とかおもしろいと思ったものをすぐ家に持ち帰ってくる
別にそれを不快に思ったことは無い、彼も楽しいそうだし私も興味がある
魔法の力を使って永遠に現状保存したり、埃を被らないように魔力を込めたり、
いつしか殺風景だった家は彼が持ち帰ってきたお土産でいっぱいになった
まぁそのお土産の内容はまた別の機会にでも話そうか
出不精だった私におもしろい光景を見せようと彼も必死だったのかもれしない
そんな私が今日、来週誕生日を迎えるゾムのために、今、家を出ようとしている
森の中なら比較的出ることあった、じゃないと今こうしてゾムとも出会えてない
でも私が今日行こうとしている場所は、街
人が賑わうそこにゾムの付き添いも無く行くのは勇気がいるが仕方ない、寿命の短い人間が大事にする行事である誕生日。
ゾムも今日はロボロさんと出会う約束があるらしく夕方までは帰ってこない、これは絶好のチャンスである
プレゼントは魔法で作ったものじゃなくて、ちゃんと自分の足で買いに行きたいのだ
……
『(なんて、意気込んでたのに)』
フードを被ってここまで来たのはいいものの人のごった返す街はやはり酔ってしまう
フラフラする足に気合いで一歩踏み出す
「おねーさん、顔青いけど大丈夫?」
ヨレヨレのスーツをだらしなく着崩した男の人に声をかけられる
もみじ型の痛そうな跡がある頬は見るべきかいなか
「ちょっとそこで休まん?こんな平日やのに城下町はよう賑わってるもんなぁ」
アハハと疲れたように笑う彼に連れられて近くの公園のベンチに案内される
穴場なのか、人も少なく先程の賑わいが嘘のように静かな場所
「やっぱりその格好的に旅人さんなん?」
『あ、うん…そんな感じ、です』
「敬語、ええよ、僕もタメやし」
ヘラヘラと笑うこの人は頬のもみじ型の跡がなければ静かなところへ案内してくれたり、ナチュラルに敬語を外させてくれるコミュニケーション能力が高くて、友好関係を築きやすい人なのだろう
「ここには何しに来たん?行くとこないなら僕んとこ来る?」
『…遠慮しとくね、まだ会ったばかりなのに悪いよ』
「僕は気にしないのに〜」
またヘラっと笑う、相変わらず掴めない笑顔でこちらに視線を流すその顔は一般に言う美形とやらなのだろう
(でも煙草の匂いがするゾムは嫌がりそうだなぁ)
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キリス(某教祖)(プロフ) - 感動しますたあああ (1月15日 16時) (レス) @page50 id: 62b7efaae2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 伏線が凄すぎる... (5月21日 22時) (レス) @page50 id: f98c154ca8 (このIDを非表示/違反報告)
イレイザー - すんげぇ好き (2023年5月11日 7時) (レス) @page50 id: 3973b7c9c7 (このIDを非表示/違反報告)
ネギです。 - 夜中に見ました。もう凄く感動する話でした。 (2023年5月8日 1時) (レス) @page1 id: d88732d1b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(๑╹ω╹๑ ) - めっちゃ良いですね!! (2023年4月9日 17時) (レス) @page50 id: dd978d4aba (このIDを非表示/違反報告)
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