【wrwrd】脅威となる子、拾いました【zm】

才能 ページ26

✩.*˚



棚に置かれた錆びたナイフを見てどうしようかと考える

このナイフは彼の過去を縛るものでは無いだろうか、それなら早々に処分をしなければいけない

でもこれはここにくるきっとずっと前から錆びれていた、相当な年季が入ったナイフだから




『(…もし、大事な人から貰ったものとかだったら…捨てられないもんなぁ…)』


一見錆びてしまった普通のナイフにみえるが持ち手は彼らしい緑色で刃には細かい模様がデザインされている

本人に聞くのが1番だろうとふと後ろを見ると寝起きのゾムが立っていた







気配などなかった、やましいことをしている訳では無いがフードの下からこちらを見る緑の目に一瞬動揺してしまった

特技なのか、それとも産まれ持った才能なのか、


はたまたきつい過去の恩恵か






『…ゾム、おはよう』


「………ん、」


『朝ごはん、なにがいい？』


「…んー…」








まだ頭が働かないのか、こちらに体重をかけるゾム


目を擦る彼は幼い、まだ幼いこどもなのに





『(…怖い、と…思ってしまった)』








(ナイフのことは朝ごはんを食べ終えてからでいい)
(私の服の裾を掴む手はまだ傷だらけで小さい)

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