生き別れの狩人兄弟【d!】 (ページ4)

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3話ページ4

綺麗な服に着替え、貯めてきた毛皮、内臓、肉を綺麗に包みリュックに詰める。

「うわぁ…、これ持って行けるか？まぁ持っていかなあかんのやけど。」

かなりの大荷物だが仕方ないだろう。
パンパンのリュックをなんとか背負い、村へ歩いて向かう。

俺の家は一応村の中にあるが、山寄りでかなり端の方にあるため村の中心に行くには少々時間がかかる。
村までの道のりは半分ほど緩やかな坂になっているため、大荷物の今転ばないようにしなければ。

「おっ、やっと見えてきた。」

30分程歩けば村の中心が見えてきた。
昼過ぎなだけあって人が多く行き来していた。

とりあえずいつもの肉屋に鹿肉を売りに向かう。
この量を売れば2週間は困らないだろう。
肉屋は商店街のど真ん中にあるため人混みの中を、人とぶつからないように進んでいく。

「こんにちはサムさん。鹿が獲れたんで肉売りにきたで！」

ｻﾑ『お、Aじゃないか。またいいもん獲ってきたな！どれ、見せてみぃや」

店主のサムさんにいつものように声をかけ、獲物が何かを伝える。
店の裏に連れていかれ、リュックから鹿肉を取り出して台に並べる。

ｻﾑ『流石Aやな、綺麗に捌けとるわ。これなら内臓も含めて全部で6万にはなるで。』

「充分やわ！それで全部買い取り頼むわ。」

ｻﾑ『あいよ！いつも通り店先で待っててくれや。』

サムさんが鹿肉を仕舞いながらそう言ってくる。
言われた通り店先のカウンターでサムさんが来るのを待つ。
待っている間何気なく外を眺めていたら、張り紙が目に入った。
よく見てみれば、どうやら近々戦争があるらしく、その知らせと避難場所などが記載されていた。

「戦争あるんか。食料買いだめしとかんとあかんな。」

ｻﾑ『せやな。しかも今回の相手はα国らしくてな、この村と近いからよう注意したほうがええで。』

帰ってきたサムさんがそう忠告してくれる。
この村は国境と近く、α国はそれに面しているためもしかしたら巻き込まれるかもしれない。
更にα国はそこそこ強い国なので、今回は長引きそうだ。

「α国かぁ、今回は長引きそうやな。まぁこの国が負けることはないやろうな。」

ｻﾑ『まぁ、それはそうやな！なんたってこの国は負け知らずの我々国やからな！』

2人でそんな会話をする。
この国はまだ新しい国だが、未だ戦争に負けたことがないのだ。
というのも、この国は1年前に革命が起こり全てが入れ替わってからというもの、軍事力が爆上がりしたのだ。