キンプリはパパ 37 (ページ48)

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Noside

外を探してると、中庭に琉晴くんの姿があった。

琉晴くんは、花壇の前にしゃがんでて、双子は静かに琉晴くんの元に近づいた。

百花「琉晴くん！」

琉晴「わっ！！びっくりした〜。なに？」

百花「なに？じゃないよ！授業始まってるよ？」

琉晴「知ってる」

百花「じゃあ何でこんなとこにいるの？」

琉晴「何でもいいじゃん···ほっといてよ···」

百花「ほっとけないもん！紫耀くんと約束したし！」

琉晴「·····」

百花「また誰かに酷いこと言われちゃったの？」

琉晴「···いいんだよ、僕が悪いから。ママがいない僕が悪い」

百花「ママがいないのってそんなにいけないことなのかな？」

琉晴「は？」

百花「だって、ママがいない子だってほかにも沢山いるよ？琉晴くんだけじゃないじゃん」

琉晴「ママもパパもいる百花ちゃんには僕の気持ち分かんないよ」

百花「わかんないけど···」

颯「分かんないのかよ···」

百花「でも、琉晴くんは可哀想な人じゃないよ！優しいパパがいるじゃん！」

琉晴「·····」

百花「だから元気出して？私と颯くんは、琉晴くんのお友達だよ？だから、沢山頼って？できることは少ないかもしれないけど、でも琉晴くんのことほっとけないの」

その時、今まで無風だったのに、一瞬、強い風が吹いた。

ずっと俯いてた琉晴くんが空を見上げた。

百花「···琉晴くん？」

琉晴「···最近ね、僕が学校のことで色々悩んでたりすると、今みたいに強い風が吹くの。一瞬だけ」

百花「そうなの？」

颯「···それって、琉晴くんのママが吹かせてるんじゃないかな？」

琉晴「え？」

颯「亡くなった人って、この世に置いてきた人が悩んでたり悲しんでると、心配して風起こしたりするんだって。お空にいるママ、きっと琉晴くんのこと心配してるんだよ」

琉晴くんはもう1回お空を見上げた。