キンプリはパパ 37 (ページ31)

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紫耀side

夜9時。

岸くんが琉晴を寝かしつけてる間に、俺は指輪が入ってるケースを持ってAの仏壇の前に座った。

紫耀「メリークリスマス。クリスマスプレゼント買ったよ。Aが大好きなブランドの指輪だよ」

Aの写真の前に指輪を置き、手を合わせた。

すると、リビングのドアが開いた。

岸「あっ、ごめん、お取り込み中？」

紫耀「大丈夫だよ笑琉晴、寝た？」

岸「おう、ぐっすり。寝る直前までずっと仮面ライダーのベルトしてたんだよ」

紫耀「マジ？何か、俺があげたプレゼントより岸くんのプレゼントの方が喜んでるよね」

俺も実は琉晴に車のおもちゃをプレゼントしたんだけど、岸くんがあげたプレゼントの方が喜んでて、めっちゃ悔しい。

岸「まだ俺、Aちゃんに挨拶してなかったな。挨拶していい？」

紫耀「おう。してあげて」

岸くんは俺の隣に座り、目を閉じて手を合わせた。

数十秒後、顔を上げた岸くんは、Aの写真の前にある指輪に気づいた。

岸「これ、Aちゃんへのクリスマスプレゼント？」

紫耀「そう。Aが大好きなブランドの指輪。毎年クリスマスプレゼントあげてたからさ、亡くなってもやっぱりクリスマスプレゼントあげたくて」

岸「そっか。ほんと紫耀に愛されてるな、Aちゃん。ほんと幸せ者だよ」

紫耀「岸くん、今年もありがとな。ケーキ買ってくれたり、プレゼントも買ってくれたりして。Aが亡くなってからさ、琉晴もずっと悲しそうな顔してたから、久しぶりに心の底から笑ってる琉晴の顔見て安心した。ほんとありがとう」

岸「俺が好きでやってるだけだからさ。今さら礼言うなよ。さっ、俺寝よっかな。2階の部屋借りるよ。おやすみ」

紫耀「おう、おやすみ」

この日は、岸くんは家に泊まった。

来年のクリスマスはどうしよっかなってもうすでに俺は考えてて。

来年も琉晴の笑顔が見れるクリスマスにしたい。

fin