キンプリはパパ 32 (ページ37)

今日:9 hit、昨日:27 hit、合計:34,664 hit

2 ページ37

Aside

それから30分くらいずっと、私に抱きついたまま泣いてた結翔。

やっぱり無理かな？と半分諦めてた時、廉から電話が。

スマホを耳に当てる。

「もしもし？」

廉『結翔どう？行った？』

「まだお家にいる」

廉『えっ、お家におるん？』

もう出発したと思ってたらしい廉は、驚いてた。

「行きたくないって言って泣き出しちゃって。30分くらい、私に抱きついたままずっと泣いてる」

廉『マジか···ちょっと結翔に代わって？』

「うん。スピーカーにするね」

スピーカーにした。

「結翔。パパから電話だよ」

廉『結翔〜。聞こえる？』

結翔「パパ···」

廉『まだお家におるんやって？』

結翔「いきたくなぁい···」

廉『でもパパ困っとるんよ？レッスン着ないと踊れんのよ。ママは忙しいみたいやからさ、結翔に代わりに持ってきて欲しいな』

結翔「できない···」

廉『やる前からできないって諦めちゃダメっていつも言っとるやろ？結翔ならできるってパパもママも信じとる。だから頑張ってみない？』

結翔「···おうえんしてて···？」

廉『もちろん。ずっと応援しとる。じゃあパパ、待っとるから』

電話を切った廉。

「どう？行けそう？」

結翔は小さく頷いた。

「じゃあお外行こう」

結翔と一緒に外に出た。

すぐ近くにバス停があり、そこまで一緒に行く。

「パパの事務所までバスで行ってね？」

結翔「うん···」

そして、バスが到着。

結翔は私の手を離し、バスに乗った。

運転席のすぐ後ろの席に座った結翔。

バスのドアは閉まり、バスは走っていった。

初めて1人で乗るバス。

心配だけど、強くなるために頑張って欲しい。