キンプリはパパ 32 (ページ36)

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はじめてのおつかい＊廉パパページ36

息子結翔(ゆいと)5歳
娘結愛(ゆあ)生後1ヶ月

Aside

1か月前、2人目の結愛が生まれた我が家。

結翔もとても喜んでくれて、お手伝いもしてくれる。

だけど、一人っ子の時間がとても長かった結翔は、とても甘えん坊さんで、私や廉がちょっと離れると、すぐ泣いちゃう。

そんな結翔を、廉はとても心配してて。

結翔に強くなって欲しい。

そう思った廉は、おつかいに行かせようと提案した。

おつかい当日の朝。

廉が仕事に向かってから数分後、廉から『そろそろ実行させて』とメールが来た。

車のおもちゃで遊んでる結翔を呼ぶ。

「結翔〜。ちょっとこっち来てくれる？」

結翔「なに〜？」

結翔は私の前に座った。

「パパから今LINE来てね、パパ、レッスン着を忘れちゃったんだって。ちょっとレッスン着探してきてくれない？」

結翔「わかった！」

結翔は廊下に出る。

すぐ、結翔はレッスン着が入ってるバッグを持って戻ってきた。

結翔「げんかんのところにあった〜！」

「あった？今日ね、ダンスの練習だからそれ必要なんだって。パパが持ってきてって言うんだけど、ママ、結愛のお世話しないといけないから、手が離せないの。だから、結翔が代わりに行ってきてくれない？」

そう言うと、明らかに顔が曇る結翔。

結翔「···ひとりで？」

「うん。1人で。バスに乗って、パパの事務所まで持ってってあげてくれる？」

そう聞くと、やっぱり結翔は首を横に振った。

結翔「できなぁい···」

「結翔ならできるよ。事務所、何回か行ったことあるから道分かるでしょ？お願い、行ってきて？」

結翔「ｸﾞｽｯ···いやぁだ···」

まだ何もしてないのにもう泣き出しちゃった結翔。

「結翔、まだ何もしてないのに泣かないよ？」

結翔の涙を指で拭く。

「結翔ならできるよ。ママもパパも信じてるから、1回頑張ってみよう？」

結翔「ｸﾞｽｯ···ママといっしょがいい···」

「ママ、結愛がいるから一緒に行けないの」

結翔「ｸﾞｽｯ···やだぁ···」

私に抱きつく結翔。

いつもなら背中トントンしたりするけど、今それをしたらもっと結翔は甘えん坊になると思い、私も我慢。

結翔の背中に触れず、結翔が自分から離れるのを待つ。