キンプリはパパ 15 (ページ50)

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百花side

仕事終わりのパパも駆けつけてきてくれた。

岸「大丈夫か？百花。ほら、果物買ってきたぞ！あっ、お昼ご飯あるじゃん！食べねぇの？カレーだって、百花！百花、カレー好きじゃん！」

百花「んー、もううるさい！」

パパの声がなんかうるさくて、ずっと握りしめてた空のペットボトルをパパに向かって投げつけた。

岸「いって！百花！いくら空のペットボトルでも痛いだろ！」

百花「そんくらいどうってことないでしょ！私の方が痛いの！」

そう言った途端、また痛みが来て···

百花「んあぁぁっ、いたいっ！」

「大丈夫大丈夫、百花」

岸「百花、痛い？何して欲しい？」

百花「もううるさいってばっ！」

もう痛すぎてイライラしちゃって、パパにぶつけた。

「パパ、とりあえず百花は私が見てるから、パパは飲み物買ってきてくれる？もう飲み物ないから」

岸「あ、おう。わかった」

パパは病室を出てった。

ママはずっと腰を摩ってくれてる。

百花「もう辛い、ママっ···もうやだ···」

もうすぐママになる人がこんな弱音を吐いてどうするんだ。

でも、ママは『しっかりしなさい！』とか怒るわけでも無く···

「辛いね。赤ちゃんも今頑張ってるからね。赤ちゃんもね、狭いとこ通り抜けようと頑張ってるんだよ」

百花「うん···」

「それに百花、見て？」

ママは自分のスマホを私に見せた。

見ると、家族のグループLINEのトーク画面で、ママがこのグループに『百花、陣痛きたよ』と送っていた。

そして、それを見たお姉ちゃんたちと颯から返信が来てた。

結花お姉ちゃんからは、『頑張れ！』の文。

夢花お姉ちゃんからは、『元気な赤ちゃん産まれるといいね！頑張れ、百花ママ！』の文。

そして颯からは、『百花、頑張れ。ゆずと一緒に応援してるよ』の文が。

百花「ｸﾞｽｯ···みんな···」

「みんな応援してくれてるよ。結花も夢花も颯も。それに、逞も和花も。みんな待ってる。みんな百花のこと応援してくれてるから」

お姉ちゃんたちからの応援のコメントを読んで、涙が止まらなかった。

頑張らなきゃ。

お姉ちゃんたちの応援が、力に変わった。