キンプリはパパ 15 (ページ19)

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百花side

つわりが始まると、ピタッと実家へ立ち寄ることはなくなった。

ちょうどその時から先生は仕事が忙しくなって、顔を合わせない時間の方が多くなり、1人でつわりに耐える日々。

まだ先生にも妊娠のこと言えてないし···

いつ言おう、どう言おうと、そればっかり考えていた。

夜、ぱっと目が覚めると、いつの間にか仕事から帰ってきてた先生が隣で寝てた。

先生の方に体を寄せ、ピタッとくっついて先生の首元に顔を埋める。

先生の温もりを感じて···

百花「ｸﾞｽｯ···」

妊娠中だからかな？

最近、涙脆くて、先生の温もりを感じただけで涙が溢れてくる。

私の泣いてる声で目が覚めてしまった先生が私の方を見た。

佐藤「どうした？百花ちゃん」

心配そうに聞く先生に、何でもないと首を振る。

すると先生は私の方に体を向け、私を抱き寄せて頭を撫でてくれた。

昔から先生の手が大好きで。

頭を撫でてくれると、一気に安心感が得て眠くなる。

今も、先生が頭を撫でてくれた瞬間に安心感が出て、先生にくっついたまま、また眠った。

次に目が覚めたのは朝。

目を開けると、すぐ目の前で私をじーっと見てた先生と目が合った。

佐藤「起きた？おはよう、百花ちゃん」

百花「おはよう、先生」

佐藤「大丈夫？」

夜に泣いてたことをまだ心配してくれた。

百花「大丈夫···」

佐藤「そっか。何かあったら言ってね？朝ごはん、俺作るから。どうする？何がいい？」

最近、食欲がない。

食べると、気持ち悪くなっちゃう。

百花「私はいいや···」

佐藤「お腹空いてないの？」

百花「うーん、何かスープなら食べたい···」

温かいスープなら食べれる。

佐藤「じゃあ作ってくるね。まだ横になってな？」

百花「うん」

先生はベッドから降り、私に毛布をかけ直したあと、寝室を出た。

私は、目を閉じて待つ。

しばらくして、出来たよと先生が呼びに来てくれた。