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そして、そんな写真部の状況を、六時間目に行われた新入生歓迎会で私は目の当たりにすることになる。
「…えー、サッカー部です！うちは2年生17人で、インターハイ出場を目指して日々活動してます！」
マイクを持った爽やかな先輩がよく通る声で活動内容を説明する。すらっとしていて背も高いその先輩は、まぁ女子にモテるんだろうなと容易に想像のできる風貌をしていた。サッカー部だし。
「よくサッカー部に入るとモテるって言われますけど、…マジです！めちゃくちゃモテます！」
どっ、と一年の笑いが起こる。
爽やかな笑顔を浮かべたその先輩は、サッカー経験者の男子だけでは無く、未経験の男子、さらには女子すらも引き込んだようだ。
モテたい男子はぜひ！と最後に一押ししてサッカー部の先輩はステージからはけていった。
「はい、サッカー部の発表でした。ありがとうございました〜」
次は写真部です、と司会の人が紹介すると、ステージに上がったのは背の高い男の先輩。マイクを片手に、低い声で話し始めた。
「…えー、私たち写真部は、2年生15人で、文化祭での写真の展示をメインに活動しています。写真に興味のある方はぜひ、二階の元２年７組の教室に来てみて下さい。」
淡々と、大した抑揚もなくそう発表して、先輩はペコリと礼をする。いかにも業務的な、感情の伴わない発表だった。
一年生たちから贈られる拍手も、先程のサッカー部のものよりも小さい気がした。
……さて、思い返すのはもちろん、あの作品の撮影者である。こんなやる気のない、勧誘する気すらない部活に、どうしてあんな素晴らしい撮影者がいるのか。この高校の写真部について知れば知るほど謎は深まってゆくばかりだ。
しかし、だからこそますます、撮影した誰かに興味が湧いてくる。一度は絶望した写真部だが、こうなったら何としてでも入ってあの人に会わなくては。
サッカー部のあの発表からの写真部で白けているであろう周りのクラスメイトたちの気持ちとは反して、私の胸は興奮で高鳴っていた。
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作者名：せるふぃ | 作成日時：2021年1月23日 11時
