【QK】夏の残響に耳を澄まして【学パロ】 (ページ9)

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「おはよー！え、Aちゃん早くない？」

『おはよう。何か早く目覚めちゃって。』

「あーね。あるよねそういう日～」

隣の席の福島さんも10分前くらいに来て、そうにこやかに話しかけてくれた。

「ねね、Aちゃん部活何にするの？」

楽しそうに身を乗り出してそう聞かれる。
…そういえば今日は新入生歓迎会だったか。

『部活？…は写真部かな。』

「え、写真部？」

『ん？うん。中学もそうだったから』

少し眉を寄せて怪訝な顔をする福島さん。

…どうしたんだろう。
何か変なこと言ったかな。

「冴匠(ここ)の写真部ってほぼ帰宅部だよ？」

『…え？』

てっきり他の部活目当てかと思った、と呟く福島さんだが、当の私は戸惑いが隠せない。

『ど、どういうこと？』

「ほら、一年って全員部活入らないとじゃん？だから部活やりたくない人が、形だけ入るためにある部活、みたいな感じらしいよ」

『…まじで？』

私の今の気持ちを表すなら“絶句”の一言である。文化祭の展示や学校新聞での扱いを見て、まぁなんとなくは想像していたけれど、まさかそこまでとは。
強豪でこそ無いものの写真部としての活動はされているものだと思っていた。

「うちのお姉ちゃん冴匠卒で、友達が写真部幽霊だったんだけど、何か全然活動もしてないし、名前だけ、みたいな。」

Aちゃん写真やりたいなら他のとこがいいんじゃない？と福島さんは勧めてくれたが、そんな声はほとんど聞こえていない。

まじか、ともう一度小さく呟けば、おもむろに飯田先生が教室に入ってきて、話はそこで終わりとなった。