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「これで入学式を終わります。何か諸連絡のある先生はいらっしゃいますか？」
「はい。この後昇降口前にクラス分けの表を掲示しますので、各自それを見てクラスへと向かってください。」
解散、という主任の先生の言葉を合図に、何となくぴんと張っていた空気が緩む。
みんな思い思いに話したり、荷物の用意をしたりし始め、先ほどまで静まり返っていた会場はすっかり賑やかになっていた。
「はーい！ここより右の列にいる皆さんは右側のドアから、左の列にいる皆さんは後ろのドアから昇降口まで向かいます！各自担当の先生の指示に従ってください！」
メガホンを持った女の先生が高々と手を掲げてそう叫ぶ。
騒がしかった会場は少し静かになって、おのおの先生に言われたように荷物を持ち、後ろのドアの前で手を上げている先生の方へと向かっていった。
1-A、1番、相生ゆめ。
…33番、村上翔、34番、森田麟…。
昇降口前に貼られたクラス分けの名簿の前には、まぁそれは沢山の生徒たちが群がっていた。
どうやらもう一つ別の掲示場所があるようだが、とはいえ100人以上の人が一つの紙の前に群がる様子は凄まじく、圧巻ですらあった。
1-B、32番、松井源吾、33番、山口すず…。
1-C、31番、宮原弓、32番、宮本徹…
「…あ。」
33番、元倉A……36番、山本祥彰。
…1-Cか。
しかも、よっしーと一緒のクラス。
少し安堵し、ほっと息を漏らす。
うちの中学校からこの高校に来たのは確か私とよっしーの二人だけだったはずだ。(むしろ初めは私一人だけだと思っていた)
そんな中話す相手が果たして出来るのかと不安に思っていたのだが、よっしーがいるというだけで安心感が凄い。
女子の知り合いはいないが、なんとなくやっていけそうな気がした。
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作者名：せるふぃ | 作成日時：2021年1月23日 11時
