猫 、 拾われました . 【 selly 】

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キャリーケースを転がしながら歩く韓国の道


繁華街の騒がしさと人の多さが嫌になって

逃げるように路地裏のような静かな場所に入った




小さな公園を発見して

そこのベンチで少し休むことに



日の落ち始める午後5時

そろそろホテルも探さなきゃいけない時間だけど



今日一日中歩いていた疲れが押し寄せてきたのか
唐突に眠気が襲ってきた





ここで寝たらダメなことくらい分かっているいるはずだけど





体は睡魔に抗おうともしない





数分後 。 私はそのまま眠りに落ちてしまった 。











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「 _______ 、 ______________ ? 」



「 ______ ? … 」




誰かの声で目が覚める


薄くオレンジ掛かっていた空の面影はなく

一面闇に染まった空を見上げて



どれくらいの間寝ていたんだろう 、 とか
夕方は陽が落ちるのが早いからもしかしたらまだあまり経っていないのかもな 、 とか


まだ眠気の残るあたまでただボンヤリと
そんなことを考えていた




『 起きた … ? 』




上から降ってきた流暢な韓国語

女性とも男性ともとれる 、 まるで鈴のような声



驚いて顔を上げると



ピンクに水色のメッシュの入った髪を腰の辺りまで伸ばした1人の女性がいた





『 … 大丈夫 ? 』




きっと私を起こしてくれたのもこの人だと思うし

とにかく返事と 、 起こしてくれたお礼がしたい


返事をしようにもさっきこの人が言ったことが分からないしそもそも韓国語での「 ありがとう 」がなんなのかも知らない私


スマホの翻訳を使おうと思って電源ボタンを押す




だけど




次に表示された画面はホーム画面ではなく
















電池が0%であることを示す画面だった 。










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