2話 ページ5
＿＿＿この場にいた五人が、同じく動揺を隠せなかった。
「父さん、この人は……！？」
「誰だよテメェ！」
「知らない顔だね」
敵意むき出しで睨みつけるバーンとガゼル。そして後ろにいるレーゼ、デザームも、表情には出さないものの、明らかな敵意がそこにはあった。
しかし、敵意を向けられてなお、ラズリと名乗った少年は笑っていた。
「ﾌﾌｯ 血の気が多いなぁ。南雲君、涼野君」
「俺をその名で呼ぶんじゃねぇ！！！！」
「どうして君が私たちの名前を知っている」
「ｱﾊﾊﾊﾊﾊｯ！ そんなことはどうでもいいじゃない？」
バーンとガゼルがラズリに質問を投げかけるも、ラズリははぐらかすばかり。
そんなラズリを見て、グランは父さんに不満をぶつける。
「父さん、これはどういう事ですか」
「まあ、5人とも。不満があるかもしれませんが、今から順を追って説明します」
父さんが茶を手前に置くと、空いた手を膝に乗せ、5人に話し始める。
「彼の本名は吉良A。私の本当の息子で、瞳子の弟に当たります」
「本当の……」
「息子………！！！？」
驚きを隠せない5人に、さらに父さんは追い討ちをかける。
「Aは自由奔放な性格で今までブラジルに行っていたのですが、どこからかエイリア学園の話を聞きつけ帰ってきたのです」
「今までブラジルに…？」
「そうですよ、レーゼ。だから、帰ってきたからには、彼にもエイリア学園として一肌脱いでもらおうと思いまして」
父さんが話し終わると、隣でリフティングをしていたラズリがﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁと拍手を送っていた。
「そういう事。だから、これから仲良くしてね！
…あっそっか。父さん、�爛献Д優轡広瓩両旅罎辰董▲椒�たちラビリンスにも与えられるものなの？」
「なっ！？」
「そうですよ、ラズリ」
「そんなっ……父さん！」
「ﾌﾌｯ 嘘じゃないよ、グラン。…ねえ？父さん。実力のあるものが�爛献Д優轡広瓩冒�ばれて当然だよねー？」
「その通りです」
「ｸｯ……」
ただでさえ状況についていけないというのに、�爛献Д優轡広瓩両旅罎�ラズリ率いる『ラビリンス』に横取られるかもしれない。
グランは少なからず焦っていた。
「まっ、せいぜい頑張りなよ。グラン、バーン、ガゼル、デザーム、レーゼ」
焦る5人を横目に楽しそうに笑うラズリは、部屋から姿を消した＿＿＿＿＿＿＿。
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作者名：Raito21 | 作成日時：2019年3月3日 20時
