ラピスラズリの深淵【イナイレ】１ (ページ3)

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『始まり』ページ3

＿＿＿＿＿＿エイリア学園。

吉良がゆっくりお茶を楽しんでいると、その【少年】は現れた。

「誰ですかっ！？貴方は！」

「ﾌﾌｯ」

どこからともなく現れた少年は、吉良の目の前に来ると、懐からエイリア石を取り出した。

ﾕﾗﾕﾗと怪しい光を放つエイリア石は、あっという間に吉良の思考回路を変えてしまった。

「ボクが誰か…わかりますか？〝父さん〟」

「……。…。…こんなところで、何をしているのですか？【A】」

「ﾌﾌｯ父さんが面白そうなことやってるみたいだったからさ。ブラジルからこうしてわざわざ帰ってきたんだ」

「全く…。Aの行動力には驚かされるばかりですよ」

Aと呼ばれた少年は〝父さん〟に向けﾆﾔﾘと笑い、楽しそうな表情になった。

「やっだーっ！父さん。そんなこと言って、勿論ボクのエイリアネーム考えてくれてたんだよねー？」

「はて…？そう……でしたかね？」

Aが父さんにそういうと、またあのエイリア石を額に近づけた。

そして今度は、忘れないように、確実に【書き換える】。

「忘れちゃったの？父さん。確か＿＿＿＿＿
【ラズリ】…だったよね？」

「…。そうでしたね。ラズリ、ブラジルから帰ってきたということは、もうわかっているはずです」

「ええ、勿論」

「ラズリ、貴方にもエイリア学園に入ってもらいます」

父さんが一言いうと、Aの顔はﾊﾟｧｧと明るくなった。

「父さんっ！勿論ボクは！」

「ご察しの通り。ラズリにはマスターランクチーム、『ラビリンス』に入ってもらいます」

「やったぁ！」

「まずは、ラズリのことを知らないであろうグランたちに貴方のことを紹介しなくてはね」

「グラン…って、確か基山ヒロトのことだよね？父さん」

「もうそこまで知っていましたか」

「もーっ！父さんったら。手紙で毎日【ヒロト】について書いてたじゃんかーっ！」

「そうでしたか？」

「父さんは忘れん坊だなー」

こうして、謎の少年Aはエイリア学園の侵入に成功したのだった。