戦争経験者、ついでに見える。『ゲゲゲの謎』 (ページ7)

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5話ページ7

水木side

正直俺はAのことを舐めていた。

実際、あいつは細身で身長も俺より低かったから、非力なやつだと思っていた。
だが実際は違った。

基本的に俺らのあの頃の仕事は木を切り倒し、運び、拠点を作ることだった。
とは言っても、南方の木は大きく、また太く重いものだった。

果たしてコイツは何時間もこの木を運び続けられるのかと見限っていたが、

水木「､､､､､ﾊｧ､､､ﾊｧ､､､､､。」

『､､､､､､､。』

作業を続けてもう数十時間は立っているというのに、あいつは涼しい顔で作業をこなしていた。

それは何日経っても同じだった。

俺ら下っ端の兵隊は上官たちのようにいい待遇は受けられない。
飯も睡眠時間も少なく、また敵襲に備えるため常に気を張っていなければならない。

日々疲れは溜まる。たとえ敵襲などなくとも倒れていくやつは多かった。

だというのにAは疲れたような顔は見せず、仕事をこなす。

水木「ﾊｧ､､､ﾊｧ､､､､､お前は化け物か､､､！？」

『､､､､､､､アハハ、家での待遇がよくなかったもんで。褒め言葉として受け取っておくよ。』

Aいわく、強くなければ生きられなかったらしい。
親はAに、生活に必要なものを全く与えてくれなかったそうだ。

非情なもんだと俺は感じた。

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水木「やっと飯だ､､､､､。」

飯は相変わらす少ない。
兵の中には奪ってくる奴も少なくないので、俺は一気に飯をかき込む。

もちろん同じ班のAも一緒に。
あいつも飯の時間だけは俺と同じで、食い意地を張って飯をかき込む。

飯を食い終わったと思ったら、Aはすぐに寝てしまう。

水木「腹満たしたらすぐ寝るとか、餓鬼みたいな奴だな。」

誰が寝床に運んでやると思っているんだ､､､。

そう少し憎たらしく思うが、同時に俺は、
コイツにしては珍しい人間味のあるところに、少し安堵し、微笑ましく思っていた。

コイツも人間なんだな。

ただでさえ会話をしない奴だ。よけいそう思わせる。

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ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ！､､､､ヒュン！ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟ､､､､ｸﾞﾁｬ！ドサ！

四方八方から聞こえる銃声、人が倒れて行く音。

俺らはついに、前線へと

特攻する。