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前原｢てか、先生も濡れてんじゃん！｣
貴方｢あ？大丈夫大丈夫｣
前原｢風邪ひくって！｣
貴方｢平気だよ。カエデ、荷物ごめんね｣
茅野｢ううん！｣
カエデから荷物を受け取ろうとした時、視線を感じた
なんだろ、と思い見渡すと顔が見てる距離の所に二人の男が立ってた
杉野｢あの人らさっきからいるよな｣
潮田｢あ、確かに｣
貴方｢え……？｣
俺は目を見開いてしまった
だって、あれは…
ジッと見ていると片方の男が走り出した
それは、俺のよく知ってる人物
貴方｢ま…待って！｣
俺はその後を追いかけるように走った
茅野｢先生！？｣
岡野｢どうしたんだろ…｣
待って…なんでここに…！？
優李…なんで…！
貴方｢ハァッ……っ…｣
少し人気の無い所に入った
雨がさっきより強くなってきた
貴方｢っ…優李！どこ！｣
絶対まだ近くにいるはず
貴方｢っ……｣
バシャ、と片膝をつく
もうほぼ治ったはずの足首に痛みが走ったから
貴方｢痛みなんか、知るかっ…優李！いるんだろ！！｣
雨の中、走り続けた
彼の姿を見つけるように
けど、どこにも彼はいなかった
貴方｢ハァ…ハァ……っ…なん、でっ…！｣
力が抜けたように両膝をついた
雨は強くなる一方で
貴方｢なんでよ…なんでっ…｣
俺は、泣き声を押し殺すことしかできなかった
―――
朱雀side
傘を捨て、ただただ走った
アイツに見つからないように
貴方｢っ…優李！どこ！｣
声が聞こえた
そこから逃げるように走る
Aをまた見かけた時、Aの格好は泥だらけだった
足を引きずっていた
なんで怪我してんのに追いかけてくんだよ…！
俺は誰もいない家の茂みに隠れた
そこから、Aの姿がちょうど見えた
貴方｢ハァ…ハァ……っ…なん、でっ…！｣
力尽きたように、その場で両手と両膝をついた
貴方｢なんでよ…なんでっ…｣
朱雀｢………｣
いつも笑顔なアイツが、声を押し殺して泣いていた
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作者名：doryi☆ | 作成日時：2017年8月13日 22時
