ライブ１２８ ページ34
行く宛も無くふらふらとさまよう
下を向いて、涙を堪えながら
途端、誰かにぶつかる
その人物は昼間に見るのは珍しい人だった
貴方｢れ、い…？｣
零｢A？どうしたんじゃ？｣
貴方｢……｣
話しても零が困るだけだ
誤魔化して行こう
貴方｢…ううん。なんでもない。それじゃあね｣
その場を離れようとする
が、それはできずに零の腕に収まった
貴方｢零……？｣
零｢…何かあったのか？辛そうな顔をしとる｣
貴方｢え……｣
零｢……話してくれるか？お前が辛そうなのは、見てらんねぇんだよ…｣
零は優しく、悲しそうに言った
少し戸惑いながらも、俺はゆっくりと口を動かす
貴方｢…英智や、泉に言われたんだ…アイドルなんだから、って…でもっ…俺は、自分をみてほしかったっ…アイドルじゃなくて、本当の俺を…！｣
零｢……うん｣
貴方｢やっとできた、居場所だと思ったっ…けど、やっぱ、無理なのかなぁ……？俺なんかが、こんな所にいちゃ、いけないのかな…？｣
零｢…そんなことはない。大丈夫。ちゃんとAの居場所は…ここにある｣
抱きしめる力が強くなる
瞬間、俺は子供のように泣きだした
貴方｢ぅあ…うわぁぁぁっ…ひぐっ……認めてくれる人が、欲しかったっ…ここなら、って…！だからっ、俺は…｣
俺が零した涙も、言葉も
零は黙って聞いてくれていた
強く強く、抱きしめながら
―――
天祥院side
��ちょっとは俺の心配してくれても良くない？��
脳内で何度もリピートされる声
彼女に言われた言葉は、酷く胸に突き刺さった
天祥院｢っ…｣
色々考えてもしょうがない、と今は探すのに専念した
そして彼女を見つけた
僕はただ、驚いた
Aは泣いていた。朔間零の腕の中で
Aは壊れたように泣いている
それを大事に、愛おしそうに抱きしめる彼
零｢！……｣
天祥院｢……｣
あぁ、その目…
君も、僕と同じなんだね？
けど、渡さないよ
Aは僕のだ
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作者名：doryi☆ | 作成日時：2017年8月13日 22時
