Epi.5 トラウマなんて知りません ページ7
、
シュウゥゥ…
「ったく…そろそろウザいんだけど。“眠ってろ”」
俺のリーフグリーンの瞳は一瞬紅く光り、魔獣はぱたんっと死んだように倒れた。
まあ、眠らせただけなんだけど。
リドルが安堵した表情で駆け寄ってくる。
「A先輩…！良かった…」
少し飛び散った火の粉で火傷したくらいで、目立った外傷はない。
炎に当たる直前に魔法で弾いたのだ。
しかし、俺の手にはマジカルペンが握られていなかった。
「貴方っ、マジカルペンなしの魔法の使用は禁止とあれほど言っ、たでしょ、う………？
……エーデルワイスくん？」
「…」
学園長は俺をじっと見つめ、やっと様子がおかしいことに気付いた。
「！貴方、震えて…」
「…るさい」
俺は子供のようにふいっとそっぽを向いた。
「…俺にだって…怖いものくらいあるんだよ…」
誰にも聞こえない小さな声で本音を呟く。
俺は本当は怖がりの、臆病者だから。
すると急にラベンダーの香りがふわっと漂った。
後ろから首に手が回っている。
匂い、体格からしてアイツしかいない。
「学園長、ウチの寮長サマを泣かせないでくれませんか？」
「ハリー…」
顔を上げると、にっこりと微笑むハリーが見えた。
目は全く笑ってないけど。
「……泣いてねーよ…」
ハリーは俺に目配せをすると、また学園長の方に顔を向けた。
はぁ…めんどくさ。
「ばーか、強がらないでよ」
「……」
「なっ！？」
一粒の涙が俺の頬を伝う。
「…Aは昔…大火傷した事があって、それがトラウマになっているんです」
ハリーはさっきよりも強く抱きしめてきた。
…お願いだから力を緩めてほしい息できない助けて。
「そりゃトラウマの炎が急に目の前に迫ってきたら、マジカルペンなんて握ってる暇ないでしょう。
だから、あんま責めないでやってください。さ、A。医務室に行くよ」
ちょっと火傷しただけなんだけどなあ。
「…ん」
「行くよね？」と謎の圧をかけられて、俺は大人しくハリーに着いていくことにした。
、
Epi.6 医務室では静かにしましょう ※→←Epi.4 火遊びはやめましょう
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼します！私男主の愛され大好物なので嬉しいです！ビーコンレタスも大好物なので嬉しいです！更新頑張ってください！ (5月20日 14時) (
レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - ご馳走様でした…(っ^ཀ^c) 続きが楽しみです!もっとみんなとエッt(((殴 見たい! (2022年8月23日 14時) (レス) id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
あげパン - とっても良い作品だと思います！忙しいと思いますが、頑張ってください！応援してます！ (2021年12月12日 12時) (レス) @page25 id: 3e1ec359cd (このIDを非表示/違反報告)
煮たまご - この作品大好きで、ずっと応援してます！！受験､大変だと思いますが頑張ってください！！ (2021年5月24日 16時) (レス) id: 22a254af00 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコ(プロフ) - 最高です！続きが気になります！！ハリーくん落ちでお願いします！ (2021年1月20日 17時) (レス) id: ed80c822fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんちょ | 作成日時：2020年10月9日 22時
