Epi.22 寮長のお仕事は大変です ページ25
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「…ご、ごほん。ボクはハートの女王の法律・第339条『食後の紅茶は必ず角砂糖を2つ入れたレモンティーでなければならない』を守るために、購買で角砂糖を買いに行かなきゃならないから。
これで失礼」
リドルは口元に手を置き、照れを隠すように咳払いをしてから言葉を紡いだ。
そしてコツコツと踵を鳴らし、大食堂から出ていく。
「全く、シュガーポットに角砂糖を切らすなんて重罪だよ……」
途中、ボソッと小声で呟いた独り言が耳に入る。
なるほど、それでキビキビしてたのか。
ハーツラビュルの新入生…エースたちの問題行為も合わさって、処理が大変なのだろう。
寮長は寮生が起こした問題の処理をしなければならないから。
【__________ポタッ】
「ん?
…何かインクが垂れる音がしたような……?」
そう言いながら監督生があたりを見渡す。
「…、?」
一瞬、黒くてドロドロした臭いがここら一帯に漂った。
禍々しいなにかがするりと頰に触れ、消える。
この鼻が曲がりそうな臭いはなんだ。
「ぉえ、…気持ち悪い………」
「…A?大丈夫か?」
「ぅーん?…だいじょぶ」
周りの様子から、この臭いを感じるのは俺だけだと分かった。
俺は心配そうに顔を覗き込むトレイにへらりと笑う。
瞬間、トレイはむっと眉を顰める。
「…ウソだろ。
顔が真っ青だ。一回寮に戻って休んだ方がいい。」
「んー…平気だって。
あー、ちょっと外の空気吸ってくる」
トレイは何か言いたげな顔をして、一度開いた口を閉じ、深いため息をついた。
「A……
…分かった。気分悪くなったらすぐに医務室に行けよ?」
「ん」
外の空気を吸えば、気持ち悪さもじきに治るだろう。
俺は額に浮かんだ汗を拭い、重たい足取りで大食堂を後にした。
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先程までエースたちと話していたケイトが、トレイに声をかけた。
「トレイくん、Aくんどうしたの?」
Aが途中でいなくなったことに気づいていたようだ。
「外の空気を吸ってくるってさ。
急に体調が悪くなったみたいだ」
「えぇ、珍しいね…Aくんが体調崩すって」
「そう、だな」
トレイはちらりと目線だけを横に動かす。
遠くの方で小さく特徴的な青い髪。そして、金色の瞳が光っていた。
「…はは、やっぱり__」
__さっきから…ずっと見てたよな、オルト。
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私男主の愛され大好物なので嬉しいです!ビーコンレタスも大好物なので嬉しいです!更新頑張ってください! (5月20日 14時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - ご馳走様でした…(っ^ཀ^c) 続きが楽しみです!もっとみんなとエッt(((殴 見たい! (2022年8月23日 14時) (レス) id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
あげパン - とっても良い作品だと思います!忙しいと思いますが、頑張ってください!応援してます! (2021年12月12日 12時) (レス) @page25 id: 3e1ec359cd (このIDを非表示/違反報告)
煮たまご - この作品大好きで、ずっと応援してます!!受験、大変だと思いますが頑張ってください!! (2021年5月24日 16時) (レス) id: 22a254af00 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコ(プロフ) - 最高です!続きが気になります!!ハリーくん落ちでお願いします! (2021年1月20日 17時) (レス) id: ed80c822fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽんちょ | 作成日時:2020年10月9日 22時