47話 ページ4
一瞬慌てたが、すぐに言った。
「お館様、俺は・・・。」
柱じゃない、と言おうとすると、お館様に遮られた。
お館様は言った。
「立場関係なく、君の意見を聞きたいんだ。正直な気持ちを教えてくれ。」
その言葉をきいて、俺は俯いた。
柱じゃない俺が裁判にて口を出すのはおかしい。
ただ、お館様の頼みなら聞き入れなければならない。
「では、無礼ながら発言させていただきます。」
自分の気持ちに整理をつけて、静かに話し出した。
「俺は、彼らの言い分に共感できません。」
そう言うと、隊律違反の少年はどこか絶望したような表情になった。
一方で柱たちは、俺の表情を注視している。
視線が、体に突き刺さる。
それに負けぬよう、俺は自分自身が思ったことをそのまま話した。
「
「そして、中には家族が鬼となり、自ら手を下した人だっている。」
「そんな鬼殺隊の中に鬼を招くのは、彼らを侮蔑しているのと等しい。」
風柱様が僅かに反応した。
いつぞや、師範が風柱様の過去を話していたのを思い出す。
本当に、懐かしい。
「それに、今後人を傷つけないことは、誰も保証できない。」
「例え、鬼に3人の人の命が掛けられていても、今まで誰も殺さなかったとしても。」
「その上、他の鬼を憎む隊士達の反感を買い、士気も下がってしまう。」
「鬼に対してそこまでのリスクを取る必要なんて、正直無意味だ。」
「・・・これが、俺自身の正直な感想です。」
舌が、滑らかに言葉を紡いでいく。
伝えなければ。
階級甲の隊士として、
鬼殺隊の一員として、
自分の思いを伝えなければ。
「鬼は醜い。」
「鬼は人にとって大切なものを奪う。」
「鬼は許してはならない。」
「でも、俺は心の奥底で、思っている。『鬼を信じたい』と。」
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芹(プロフ) - こんばんは。お話とても面白いです!!これからも無理せず頑張ってください!! (2022年3月27日 20時) (レス) @page10 id: fb1d41063f (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - Ry osdさん» ありがとうございます、嬉しいです!更新不定期ですが、絶対に完結させます! (2021年2月10日 16時) (レス) id: 457d30fcd7 (このIDを非表示/違反報告)
Ry osd(プロフ) - 読み入ってしまいました。続きがあるのでしたら楽しみにしてます。 (2021年2月7日 18時) (レス) id: d8163f4fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作成日時:2020年11月10日 21時