6話 ページ9
「懐かれ始めたであろう日」から約1年。
最初は上司の柱に懐かれるのに違和感があったものの、今ではかなり慣れている。
慣れとは本当に恐ろしいものだ。
あのとき俺は、
「霞柱様に懐かれることに慣れるなんて絶対無い!」
と言い張っていたのに。
そしてそれを師範は、
「世の中には絶対は無いんだよ?」
と言いながら、優しく微笑んでくださった。
師範の言う通りだ。
だから、鬼殺隊にいる以上、師範がずっと生きる、というのも絶対では無いのに。
あれだけ打ちのめされたのも、師範が死ぬ訳ない、と過信していたからだろう。
師範が亡くなられたのも、確か1年程前。
霞柱様に出会ってから1〜2週間後に師範は殺された。
優しくて、強くて、賢明で、美しくて。
隊士の、柱の鏡の様だった師範。
霞柱様の事はもう慣れたのに、師範のいない世界なんて、未だ慣れない。
涙が出そうになって、慌てて深呼吸する。
すると、トントン、と戸がなって、
「玲!入っても良い?」
と言う霞柱様の声が聞こえる。
俺は深呼吸して立ち上がり、玄関の戸を開けて、霞柱様を招き入れた。
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勉強&学校崩壊しろ! - 竹輪*胡瓜@昆布教さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年8月27日 9時) (レス) id: e7232d2884 (このIDを非表示/違反報告)
竹輪*胡瓜@昆布教 - この作品大好きです!更新頑張って下さい! (2020年8月26日 20時) (レス) id: af05283989 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作成日時:2020年7月31日 11時