階級甲の隊士は、何故か霞柱に懐かれたらしい【鬼滅の刃】

36話 ページ42

あの気まずい、甘味処事件からしばらく経った、ある日。








・・・








いや、待てよ。


甘味処事件、って何だよぉぉぉぉぉ！！！(怒)


(流石に酷すぎるだろう。)


甘味処事件、って、マジでそのまんまじゃん！！！


我ながら、低すぎるネーミングセンスだ。


泣きたくなる。


(じゃあ、何て呼べば良いのだろう？)


『胡蝶さまとの会話のせいで、変な空気になってしまった事件』


『あの件、に関して催促され、落ち込んじゃった事件』


何個か思いつくものの、


自分でも酷い名前だ、ということは充分わかる。









(一旦このことは、忘れよう。)


大きくため息をついた後、俺はある視線に気づいた。


「どうかしましたか、霞柱様。」


「いや、別に。」


目の前にあるのは、ニヤニヤしている霞柱様。


今日も何故か、この屋敷に来た。


(まぁ、俺以外誰もいないから、むしろ大歓迎なんだけど・・・。)


結局、何故霞柱様に懐かれたのかは、見当もつかなかった。


接点すら、無いに等しい。


俺は、考えを巡らせた。









すると、霞柱様は笑い出した。


「玲、どうしたの？さっきからずっと百面相してるけど。」


言われてみれば、先ほどからずっと考え込んでいる。


申し訳ありません、と言おうと顔を上げると、


霞柱様は年相応の顔で、


無邪気な笑い声を立てて、笑っていた。

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