17話 ページ22
〜善逸サイド〜
酷い
そう思っただろう?
鬼の情報を得るために、聞き込みをしていた時に。
被害者の家族はみんな泣いてた。
元々はみんな、幸せに暮らしていただろうに。
今は、家族を失い、絶望の声を上げて泣きじゃくっている。
(なのに、俺はそれを見てもなお、逃げつづけている。戦わねばならないのに。)
そのとき、ふと思い出した。
聞き込みをした人たちの中で、唯一まだ子供だった男の子のことを。
その男の子は、泣きながら言った。
「化け物が、お父さんとお母さんをさらっていっちゃった!」
きっと彼の親はすでに殺されているだろう。
なぜなら、鬼がいた付近には、生きた人間の音がしないからだ。
彼も、俺と同じ、孤児になんってしまった。
(でも、違う。)
彼は親に愛されていた。
俺とは違って。
本来なら、幸せに生きていくことができたのだ。
なのに……。
今までとは違う感情が心を埋め尽くす。
憎い。
鬼が憎い。
俺は走るのをやめて、刀を抜いた。
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勉強&学校崩壊しろ! - 竹輪*胡瓜@昆布教さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年8月27日 9時) (レス) id: e7232d2884 (このIDを非表示/違反報告)
竹輪*胡瓜@昆布教 - この作品大好きです!更新頑張って下さい! (2020年8月26日 20時) (レス) id: af05283989 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作成日時:2020年7月31日 11時