天才達の黙示録【QK】 (ページ9)

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何時かの話ページ9

Aside
誰かの言ったたった一言。

その一言で俺の人生の全てが変わった。

フォトグラフィックメモリー。

1度見た物の全てを写真の様に記憶する能力。

それが分かったのは俺が10の時。

1度見た物を一言一句間違わずに言う俺を不審に思った母親が俺を病院に連れて行った。

医者「フォトグラフィックメモリーと言われる記憶能力が他の人より群を抜いて優れている症状でしょう。ですがその能力は幼児程の年齢でしか発症しません。となると先天性のものだと思われます」

その言葉を聞いた瞬間母親の顔色が変わった。

俺の家は貧乏だった。

父親が望んだ女の子じゃない。

そんな単純な理由で母親と俺は捨てられた。

家に帰ってすぐ、俺は母親の罵声を浴びた。

母親「なんでもっと早く言わなかったの！？それがあれば私はあの人とまた元に戻れるかもしれなかったのに！」

ヒステリックになった母親はそう簡単に収まらない。

長く伸びた爪が俺の身体中に真っ赤な線を引く。

痛いなんて言おうものなら首を絞められる。

死にたくない。

だから俺は母親のヒステリックが収まるまで何もしない人形の様になる。

それしか自分を守る術がなかったから。

数時間後、母親のヒステリックが収まり母親は寝室へ戻って行ってしまった。

その次の日から俺の生活の徹底管理が始まった。

『何したの？双子ちゃん』

問「先輩の横顔が綺麗すぎて」

言「やっぱり先輩は綺麗ですよね。お母さん似なんですか？お父さん似なんですか？」

どっち似か、考えた事もなかったな。

どっちにも似てないからな。

『さぁ？どっちにも似てないんじゃない？』

似てないじゃない。

似たくなかったんだ。

あの人達の血が入っているって思いたくなかったから。