社長 ページ4
伊沢side
診察室で初めて会った時運命だと思った。
顔、声、体つき、どれをとっても女性のそれと同等かそれ以上の代物だった。
名前の書いてある名札には朧月 Aと書かれた名前と顔写真が載っていた。
とても綺麗な人だなぁ、と思っていた筈なのに気が付けばこの人と一緒に仕事をする“妄想”をしていた。
そして今、目の前にいる先生は怒るでも無く、驚くでも無く、ただ俺の話を聞いてくれている。
『そんなに俺と一緒に働きたいんですか?』
その問いに俺は思いっきり頭を縦に振った。
『………………それは俺の学歴を見てですか?それともただの私利私欲の為ですか?』
その問いに俺はすぐ答えられなかった。
問いかけの内容的には後者を選ぶ。
けれどそれ以前にこの人の学歴を俺は知らない。
そこで俺は1つの賭けに出た。
伊沢「卒業した大学は何処ですか?」
俺がそう聞くと先生は意地悪そうな顔をしてこっちを見た。
『伊沢さんと同じ大学って言ったらどうします?』
俺と同じ大学…………。
伊沢「理IIIですか!?」
『えぇ。一応2年前に卒業しました』
2年前って言うと俺が27の時に卒業したって事か。
伊沢「て事は今24!?」
『そうですね…………見えませんか?』
正直見えない。
なんなら20も行ってないと思ってた。
けど病院で働いてるから若くても23か4辺りだろうとは一瞬思ったけど。
『雇ってくれるんですよね?だって俺に2時間も話してましたし今更やっぱり無理は通用しませんよ?“社長”♡』
その日、株式会社QuizKnockに新たなメンバーが増えた。
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作者名:エリス | 作成日時:2023年7月8日 15時