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泣いてた理由 ページ3
私が話しかけると彼は
「何でもない」と行って
走り去っていきました。
この時の私はケンに悩み事なんてないと思い込んでいました。
いつも明るくて、人をよくいじる人だったから
悩みがありそう、なんて一ミリも。
ケンは自虐ばかりするなぁ、程度でした。
次の日、思い切ってケンに聞きました。
「どうして昨日、道で泣いてたの？」と
ケンは首を振って
「その話すんな」とだけ
変に深追いして傷つけるのは嫌だったので、
この話は一旦ここで終わりました。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__________
それから、何日かした時のことです。
教室にいたら
珍しくケンの方から話しかけてきました。
「なぁ、俺が泣いてたの見たんだろ？」
「うん、少しだけ」
「あれさ、何でだと思う？」
急すぎて何も答えられませんでしたね。
何も言えずにいたら
「俺、父さんに嫌われてるかもしれない」
彼はそうとだけ言って立ち去りました。
私は彼のこの発言で気が付きました。
家でなにかあったのだと
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作者名：夜 | 作成日時：2021年12月7日 21時
