S._14 ページ14
お母さんの肩を持ち何とか玄関に入ったところでひっくり返りそうになる。
笑えないほど赤かった。
こびりついた赤が、濃く残って。
ここに居たことを記憶づけるように拭いた形跡も一切なかった。
「これ…!」
「うっ…うぅ…」
「大丈夫ですか、何があったんですか…血ですよねこれ」
「主人が…っ昨日まで…昨日の…夜8時まで生きてたのに…」
殺された?
この辺で?
夜8時。
あたしが帰っていたのは…8時半頃だった。
ぱっと脳内に浮かぶ1人の男。
赤に染まる白いパーカーのフードを被り、刃物を煌めかせ。
「警察には?」
「言いました…今遺体はあちらにあるんです…」
「とりあえずこの血拭きましょう、ね」
「やめて!主人の…最後の欠片なの…!」
シュウはどこにいるんだろう。
幼い子供には残酷すぎる。
まさか昨日の被害者がシュウの父親だったなんて。
いや無関係な人物ならいいというわけではないが、あたしに良くしてくれた1人だったから。
「Aせんせー…」
「シュウ?」
目を精一杯腫らし、赤くさせた小さなシュウが部屋の隙間から顔を出していた。
「おとーさん、もういない。もう、帰ってこない」
親子が火のついたように泣き出した。
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あっぷる(プロフ) - 遅くなりましたが初めて読ませていただきました。こんなに素敵で狂気的で美しい作品に初めて出会いました。繊細な言葉一つ一つが情景を恐ろしく想像させてくれる表現力、世界観には頭が上がりません。とても面白かったです。 (2020年5月1日 10時) (レス) id: 5a325cfe9e (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 凜憧さん» 毎度ありがとうございます。名前を見なくても私の作品だと分かって頂くことは意識していたことでもありますので嬉しいです、グダグダでございましたがご愛読ありがとうございました。 (2019年8月27日 9時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 完結おめでとうございます。通知を見るより前に作品を見つけ、冒頭からカジャさんの作品かなあと思いました。表現も世界観も結末も、カジャさんらしく妖しい魅力でした。今回もすごく面白かったです、更新お疲れさまでした! (2019年8月26日 18時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
よーぐりゅ(プロフ) - カジャさん» あってます(( 認知あったなんて!笑ありがとうございます。こんなに素晴らしい作品なのになんで赤星にならないんでしょうか… 新作も楽しみにしてます!! (2019年8月25日 20時) (レス) id: c89cc366d1 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - おずさん» ラストだけは!ラストだけは他の場面よりも頑張ったつもりでございます笑 私の語彙力ではサイコパスというものの表現が全然足りなかったですね…ご愛読ありがとうございました。 (2019年8月25日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734
作成日時:2019年8月1日 19時