S._13 ページ13
今日は…
あぁ、シュウの日だな。
シュウは国語だっけ。
特に何も用意はせず、ソファーで寝たままの大毅にちらりと目を向けて行ってきますと呟いた。
あたしがここに帰ってくる頃に彼は…
犯罪を犯すと分かっていても何も言えやせず自分の日常を送るのはなにか、罪悪感を感じるが。
あたし達はあくまで他人。
そしてあの人はそれを仕事にしてるんだから。
あたしのバイトはいわゆる家庭教師。
これも保育士になるための勉強のひとつとなっている。
持っているのは小学校4年生の男の子、シュウ。
中学1年生の双子の女の子シイナとユズ。
シュウは国語でシイナとユズが英語だ。
1時間やって30分休憩。
そしてまた1時間やって終わり。
少しお喋りをして夕ご飯前には帰る。
なかなか楽しいものだった。
3人ともいい子だし。
けれど今日は、肩が重い。
もちろんそんな姿を見せるわけにいかないから顔には出さない。
「お邪魔しまーす、シュウー」
チャイムを鳴らして呼びかける。
いつもここで鍵を開ける音が聞こえるんだけど。
「シュウー?」
応答無し。
寝てるのかな。
どこか行ってるのかな。
もう一度チャイムに指をかざしたとき、ガチャリと中から音がした。
「シュ…お母さん?」
血の気のない、真っ白な顔をしたシュウの母親が今にも消えそうに立っていた。
「すみません…今日は…キャンセルさせて下さい…」
そう言って崩れ落ちた。
238人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あっぷる(プロフ) - 遅くなりましたが初めて読ませていただきました。こんなに素敵で狂気的で美しい作品に初めて出会いました。繊細な言葉一つ一つが情景を恐ろしく想像させてくれる表現力、世界観には頭が上がりません。とても面白かったです。 (2020年5月1日 10時) (レス) id: 5a325cfe9e (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 凜憧さん» 毎度ありがとうございます。名前を見なくても私の作品だと分かって頂くことは意識していたことでもありますので嬉しいです、グダグダでございましたがご愛読ありがとうございました。 (2019年8月27日 9時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - 完結おめでとうございます。通知を見るより前に作品を見つけ、冒頭からカジャさんの作品かなあと思いました。表現も世界観も結末も、カジャさんらしく妖しい魅力でした。今回もすごく面白かったです、更新お疲れさまでした! (2019年8月26日 18時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
よーぐりゅ(プロフ) - カジャさん» あってます(( 認知あったなんて!笑ありがとうございます。こんなに素晴らしい作品なのになんで赤星にならないんでしょうか… 新作も楽しみにしてます!! (2019年8月25日 20時) (レス) id: c89cc366d1 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - おずさん» ラストだけは!ラストだけは他の場面よりも頑張ったつもりでございます笑 私の語彙力ではサイコパスというものの表現が全然足りなかったですね…ご愛読ありがとうございました。 (2019年8月25日 18時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734
作成日時:2019年8月1日 19時