#05 ページ6
「伝説？その割にテレビで見たりしないけど……」
「だから伝説なんだよ。2年だけ活動して、ぱったり消えちゃったんだけど、ほんとにすごかったの」
「ぱったりって……引退じゃなくて？」
「うん。本名も明かされなかったの」
消息不明ってことなのか。そんなアイドルがいるとは。
「でもね、私はゼロはまだ生きてて、どこかで今のアイドル界を見守ってくれてるんじゃないかって思ってるの。……もう、15年前なんだけどね」
「そっか……。アイドルをよく知らない私でも知ってる曲を歌ったアイドルなんだから、凄かったんだろうね」
「うんうん！Aも、好きなアイドルできたら教えてね！」
「あ、じゃあアイド……」
そこではっとして口を閉じた。
(危な………！！！IDOLiSH7って言いそうになった！)
いくらなんでも浮かれすぎだと自分を戒める。
そんなこんなで、私は(そこそこ)アイドルについて知ったのだった。
*
「ただいま」
「あ、Aさん。おかえりなさい」
その声に顔を上げると、書類を整理している万理さんがいた。
「…………(帰って即顔がいい人が視界に入るのは)心臓に悪いですね」
「す、すみません！びっくりさせちゃいましたか」
「あぁいえ、違うんです！そういう意味では……。
でも、びっくりしたのは確かですね。家に帰ると7人もアイドルがいるし、姉がそのマネージャーだって言うんですから」
「あはは、そうかもしれないですね。すみません、事前に言うのを忘れてしまって」
万理さんは、姉が中学生の時にうちに来て以来、うちの事務員として働いてくれている。
なにか訳アリのようだったが、幼い私たちには何も知らされなかった。
でも、別に気にしていない。
万理さんは万理さんだ。どんなことがあっても、それが変わることは無い。
事務所内を見回すが、7人の姿は見当たらなかった。
「あの子たちなら、今はレッスン室ですよ」
「レッスン中ですか。お邪魔にならないようにしないと……」
「大丈夫ですよ。見学くらいなら」
笑顔でさらりと言ってのける万理さん。
「え、でもお邪魔では……」
「あの子たちは貴方のことを邪魔なんて思ったりしませんよ」
「でも……」
正直、あんなに顔が良い人達が動いている所を見るなんて、私の心臓が心配なんだけど……。
「あっ！」
不意に、万理さんがわざとらしく声をあげた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アイドリッシュセブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
noppi(プロフ) - 続きも楽しみにしてます！！ (2022年5月20日 18時) (
レス) @page46 id: b90efc2fe0 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - CloveRさん» コメントありがとうございます！！更新遅いですが頑張りますね…！ (2020年4月22日 14時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
CloveR(プロフ) - 神でした！更新頑張ってください！！ (2020年4月22日 2時) (レス) id: f7412586d4 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 夢見る猫さんさん» 初めまして！コメントありがとうございます！三月いいですよね！私も好きです！！ (2019年12月30日 15時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る猫さん - 初めまして。アイナナ大好きです。三月が好きで推しです (2019年12月30日 12時) (レス) id: 1f3578b759 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レイン | 作成日時：2019年11月20日 20時
