#40 夜を乗り越えて ページ42
「お詫びといってはなんだけど、僕にできることなら何でもします………」
カレーができた後も、逢坂さんは気にしている様子だ。
ちいさくなって座り込んでしまった。
本当に真面目というか、優しい人だということが分かる。
こころなしか、頭の双葉(のようなもの)もしおれている(ように見える)。
「そ、そこまで気にしなくていいんですよ！？ほんとに怪我してませんし……！」
「でも……」
本当に大丈夫なのだが、このままだと逢坂さん自身が納得できないのだろう。
「えっと、じゃあ良ければ名前で呼ばせてください。私のことも名前でいいので！」
「……そんなことで良いのかい？僕はもちろん構わないけれど……」
「はい！」
「……ありがとう、Aさん」
「！！」
だからといって、不意打ちは良くない！
ふわりとした微笑みと共に名前を呼ばれてしまって、心の準備ができていなかった私は動揺してしまった。
……さすがアイドル。侮れないな……。
*
「お待たせしました！花火、買って来ましたよ！」
「大人にはビールもね」
辺りがすっかり暗くなった頃、両手に花火を持った万理さんと、ビールやらお酒を持った父が帰ってきた。
「やった！お酌しますよ、社長」
「ううん。お父さんは、かわいい娘たちにしてもらうからいい」
「お父さんたら、子どもみたいに……」
二階堂さんに誘われてもブレないお父さんを、お姉ちゃんが呆れた目で見つめる。
「あはは……お父さん相変わらずだね……」
「カレーも美味しそうだ。仲良く作った？」
「おー。でも結局そーちゃんがほとんどやってたよな」
そう。あの後、申し訳なさからなのか、壮五さんが全力でカレー作りに勤しんでいたので、私と環さんはあまり手伝えなかったのだ。
「たっきー、あのことは俺たちだけの秘密な」
「……ええ、そうしましょう」
環さんが顔を近付けて小声で話しかける。
恐らく、結果的に私に包丁を向けてしまったことを父が知ると、大変なことになってしまうからだろう。
壮五さんも自責の念で切腹しかねない。
2人だけの秘密、というなんだか魅力的な言葉に、私の心も浮かれていた。
*
そして皆で一緒に乾杯して、ご飯を食べて、のんびり過ごした。
確かに悲しい出来事もあったけれど、人はそれを乗り越えて成長していく。
どんなに悲しくても、辛くても、仲間がいれば、また立ち上がれる。
IDOLiSH7の絆を強く実感した、そんな夜だった。
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noppi(プロフ) - 続きも楽しみにしてます！！ (2022年5月20日 18時) (
レス) @page46 id: b90efc2fe0 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - CloveRさん» コメントありがとうございます！！更新遅いですが頑張りますね…！ (2020年4月22日 14時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
CloveR(プロフ) - 神でした！更新頑張ってください！！ (2020年4月22日 2時) (レス) id: f7412586d4 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 夢見る猫さんさん» 初めまして！コメントありがとうございます！三月いいですよね！私も好きです！！ (2019年12月30日 15時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る猫さん - 初めまして。アイナナ大好きです。三月が好きで推しです (2019年12月30日 12時) (レス) id: 1f3578b759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイン | 作成日時：2019年11月20日 20時
