#35 いつもと違う道 ページ37
そして、一織さんはそんな陸さんの方をちらちらと気にしている様子だ。
「……もしかして……陸さんが発作を起こしかけてて、一織さんだけがそれに気付いてる……？」
そう考えると、2人の様子にも説明がつく。
だが、気付いた所でどうにもできない。私には、どうか乗り切れるように祈るしかなかった。
そして、IDOLiSH7の歌が始まった。
初っ端から陸さんのパートだが、そこは問題なく終わった。次に逢坂さん。
(それから、一織さんと三月さんの────………え？)
『いつもと違う道を 選んでみようなんて今』
本来なら、そこは一織さんと三月さんのハモリパート。
三月さんの高音と、一織さんの低音が見事に合ったら、とても綺麗な部分だ。
なのに、テレビから流れたのは、三月さんの声だけ。
そして、その後の歌詞も聞こえない。
聞こえるのは、歌声の無くなった『Today is…』のメロディ。
数秒経ち、ようやく皆がいつもの様に歌い始めたが、もう時は戻らない。
一織さんが歌うのを忘れたという事実は消えない。
(一織さん……)
気が付くと、IDOLiSH7の出番は終わっていた。
なぜ、歌うのを忘れてしまったのか。
そんなことはどうでもいい。だけど、今は、一織さんのそばにいなくてはいけないような気がして。
私は何が何だかわからないまま、無我夢中で家を飛び出していた。
テレビ局には入れない。
でも、皆のところに行かなくては。
*
気が付くと私は、ゼロアリーナの前にいた。
「ここって……、ゼロ・アリーナ……？」
ゼロが最後のステージをした場所。なぜそこに着いたのかはわからないけれど、足が勝手に向かっていた。
息を整えて周りを見渡すと、近くから走ってくる人影を見つけた。
「あれ……！？一織さん！？」
それは、よく見るとステージ衣装を着たままの一織さんだった。
そして、その後ろからは他のメンバーと、お姉ちゃんが走っていた。
絵面的には、逃げる一織さんを皆が追いかけているように見える。
(えぇえ……！？どういう状況！？)
すると、一織さんが私に気付いたのか、はっとした表情をする。
そして方向転換しようとして、よろめいた。
「あっ……！？」
「───一織さん！！」
思わず手を伸ばし、一織さんの体を受け止めようとする。
だけど、ひとつ年上の男性の身体は、予想以上にずしりと私にのしかかって。
「えっ？」
「あっ」
一織さんと共に、地面に倒れ込んでしまった。
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noppi(プロフ) - 続きも楽しみにしてます！！ (2022年5月20日 18時) (
レス) @page46 id: b90efc2fe0 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - CloveRさん» コメントありがとうございます！！更新遅いですが頑張りますね…！ (2020年4月22日 14時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
CloveR(プロフ) - 神でした！更新頑張ってください！！ (2020年4月22日 2時) (レス) id: f7412586d4 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 夢見る猫さんさん» 初めまして！コメントありがとうございます！三月いいですよね！私も好きです！！ (2019年12月30日 15時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る猫さん - 初めまして。アイナナ大好きです。三月が好きで推しです (2019年12月30日 12時) (レス) id: 1f3578b759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイン | 作成日時：2019年11月20日 20時
