#30 理由 ページ32
環さんはテレビに出たがっているので受けたいと言っているが、逢坂さんは受ける気はないらしい。
結局、その話はうやむやになってしまった。
残ったのは、なぜ環さんがそれほどまでにテレビに執着するのか、という疑問だけだった。
*
それからしばらくして。
環さんと逢坂さんが出かけていたので、他の5人がレッスン場にいた時のこと。
「お。おかえり、環」
「おかえりなさい、環さん……どうかしたんですか？」
帰ってくるなりレッスン場に入ってきた環さんは、なんだか浮かない表情だ。
三月さんや私の言葉も聞こえていないように見える。
「みんな……ごめん。俺、抜ける」
(─────え？)
重々しく喋り始めたかと思えば、環さんはそんな言葉を口にした。
「抜けるって……何をですか」
「ま、まさかIDOLiSH7を抜けるなんて言わないよな！？」
一織さんと陸さんがそう聞くが、環さんの表情は暗いままだ。
「俺とそーちゃんで、違う事務所行って……2人でデビューする」
「だから、抜ける……ごめん」
(……え？そ、そんな……2人が、抜ける？IDOLiSH7から？……
何度頭の中で繰り返してみても、全く理解できなかった。否、理解したくないのかもしれない。
「……っ、なんだよそれ！？抜けるってどういうことだよ！？」
黙っていた三月さんが我慢の限界、という風に環さんに詰め寄った。
「No！ケンカだめです！」
ナギさんが2人を宥めようとするが、2人の勢いは収まらない。
するとその声を聞いたのか、隣の部屋にいた逢坂さんとお姉ちゃんがレッスン場に駆け寄ってきた。
だが逢坂さんは抜けるのか、と聞かれると違う、と言い、2人の間で矛盾が生じた。
どちらが正しいのか？そう思っていると、その様子を見ていた一織さんがIDOLiSH7を見限った人などいらない、とまで言い始めた。
「言いすぎなんだよ、一織は！環だって、ほら、なにか事情があるんだろ？な？」
「OH……プリーズ、タマキ。ワケを話してください」
陸さんと六弥さんにそう言われ、環さんは2人が出かけている間にあった出来事を話し始める。
八乙女宗介という男に事務所の移転を持ちかけられた。
環さんは妹さんと生き別れていて、捜すためにテレビに出たい、と。
(な、なんだ、そういうことだったのか……。うちが嫌になったんじゃないんだ……良かったぁ……)
理由が分かった途端、体の力が抜けた。
それと、環さんは説明下手だということも分かってしまった。
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noppi(プロフ) - 続きも楽しみにしてます！！ (2022年5月20日 18時) (
レス) @page46 id: b90efc2fe0 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - CloveRさん» コメントありがとうございます！！更新遅いですが頑張りますね…！ (2020年4月22日 14時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
CloveR(プロフ) - 神でした！更新頑張ってください！！ (2020年4月22日 2時) (レス) id: f7412586d4 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 夢見る猫さんさん» 初めまして！コメントありがとうございます！三月いいですよね！私も好きです！！ (2019年12月30日 15時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る猫さん - 初めまして。アイナナ大好きです。三月が好きで推しです (2019年12月30日 12時) (レス) id: 1f3578b759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイン | 作成日時：2019年11月20日 20時
