#27 3分 ページ29
台場野外音楽堂での二度目のライブの、予約チケットの発売日。
私たちはパソコンの前で"その瞬間"をじっと待ち構えていた。
姉と私は迫真の表情で完売を祈る。
「完売しますように……。完売しますように……。完売しますように……」
「お願いします……お願いします……」
「マネージャーとAが怖い顔で念を送ってる……」
そして、いよいよ訪れた、チケット販売開始の瞬間。
「え……」
皆は話していてパソコンの画面を見ていなくて、私だけが『それ』を見ていた。
販売開始の瞬間から、どんどん減っていくチケットの在庫。
その勢いは留まることなく、そして、3分が経った頃、呆然とした様子で万理さんが呟く。
「……完売しました。
か……、……開始3分で完売です……」
その瞬間、事務所内に歓声が響いた。
疑い気味な逢坂さん、陸さん、二階堂さん。
手放しで喜ぶ六弥さんと三月さん。
そして、机に突っ伏すお姉ちゃん。
「……あれ？マネージャー、机に突っ伏してなにしてるんだ？」
「……泣いてます。お姉ちゃん、めっちゃ号泣してます」
「たっきーも泣いてんじゃん」
そう、かくいう私も姉ほどではないが涙が堪えきれなくなってしまって、また環さん達の前で泣いてしまったのだ。
いや、今はそんなことは気にしない。
──────よかった。
本当によかった。3000人、いや、それ以上の人達が、皆を応援したいって思ってくれたんだ。
───私たちの想いが、届いたんだ。
その夜はお父さんの奢りで、お祝いに焼肉を食べに行った。
皆でライブのことを話しながら食べる焼肉は、いつもより何倍も美味しく感じた。
*
そして、とうとうやってきた二度目の野外ライブの日。
今回も私はお手伝い兼観客として同行している。
なんと、ローカルテレビ局の中継でライブがテレビに映ることも決定していた。
環さんはなぜか妙にそのことを気にしていたみたいだけど……。
お姉ちゃんと私はというと、皆さんにライブについての注意事項などを説明していた。
「─────私たちからは以上です。何か質問はありますか？」
「ハイ」
勢いよく手を上げる六弥さん。
「はい、ナギさん」
「マイガールズ。最も重要な質問を」
(……複数形？私も入ってるの？)
どきりとしながらも、六弥さんの質問に耳を傾けた。
「アー、ユー、ハッピー？」
その質問に、お姉ちゃんと私は同時に答えた。
「「イエス！！」」
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noppi(プロフ) - 続きも楽しみにしてます！！ (2022年5月20日 18時) (
レス) @page46 id: b90efc2fe0 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - CloveRさん» コメントありがとうございます！！更新遅いですが頑張りますね…！ (2020年4月22日 14時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
CloveR(プロフ) - 神でした！更新頑張ってください！！ (2020年4月22日 2時) (レス) id: f7412586d4 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 夢見る猫さんさん» 初めまして！コメントありがとうございます！三月いいですよね！私も好きです！！ (2019年12月30日 15時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る猫さん - 初めまして。アイナナ大好きです。三月が好きで推しです (2019年12月30日 12時) (レス) id: 1f3578b759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイン | 作成日時：2019年11月20日 20時
