#24 嵐の中のライブ ページ26
「小鳥遊さん。この人は隠してますが、ぜ……んんっ！」
一織さんが七瀬さんの腕から抜け出し、また何か言おうとするが、再び七瀬さんに口を塞がれてしまった。
「言うなって頼んでるだろ！」
「……っ、さっきから勝手に口に蓋するの止めてもらえませんか！？鍋じゃないんですけど！？」
やっぱり、なにか隠してるんだ。
そして、一織さんはそのなにかを知っている。
私に言わないのは構わない。
私なんて、本来はただの一般人なのだから。
だけどこの様子だと、多分誰にも言ってない。
他のIDOLiSH7のメンバーやお姉ちゃん、お父さんにも言ってないのだとしたら。
─────なんだか、すごく寂しい。
「七瀬さん、あなたのボーカルは武器になる。
それゆえに、あなたの抱えているトラブルは、グループ最大の爆弾にもなりかねません。下手をすれば、私たちの命取りになる」
ボーカル。トラブル。爆弾。
そして、今までの七瀬さんの様子。
私はこれらから、1つの結論にたどり着いた。
「………喘息、ですか？」
「な……なんで分かったの！？……あっ！」
ダメ元で聞いてみると、七瀬さんはしまった、というように自分で自分の口を塞いだ。
「やっぱり、そうだったんですね。ただスタミナが無いだけには、見えませんでしたから」
「……お願い！マネージャーと皆には言わないで！やり切ってみせるから！」
「でも、隠してたっていい事なんてありません……！」
「……お願い……オレは、みんなと一緒に……、IDOLiSH7でいたいんだよ」
「……七瀬さん……」
*
結局、懇願する七瀬さんに圧されて、お姉ちゃんたちには言えないまま、新曲発表のライブの日が来てしまった。
その日は駅前でライブ予定だったが台風の影響で土砂降り、衣装は水浸し、という最悪のコンディションだった。
私はどうしても七瀬さんのことが心配で、姉に無茶を言って手伝い係として連れて行ってもらった。
準備の合間にも私と一織さんは七瀬さんをちらちらと盗み見ているが、七瀬さんはやはり気圧のせいか、ライブが始まる前から苦しそうだった。
(……七瀬さん。こんな中でライブして大丈夫なのかな。やっぱり、今からでも言うべきかな……)
だがその暇もなく、暇つぶしになってやろうという環さんの提案で、ライブは始まろうとしていた。
「──それでは、いきまーす！みなさん、スタンバイしてください！」
お姉ちゃんの声と、皆の掛け声で、嵐の中のライブは始まった。
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noppi(プロフ) - 続きも楽しみにしてます！！ (2022年5月20日 18時) (
レス) @page46 id: b90efc2fe0 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - CloveRさん» コメントありがとうございます！！更新遅いですが頑張りますね…！ (2020年4月22日 14時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
CloveR(プロフ) - 神でした！更新頑張ってください！！ (2020年4月22日 2時) (レス) id: f7412586d4 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 夢見る猫さんさん» 初めまして！コメントありがとうございます！三月いいですよね！私も好きです！！ (2019年12月30日 15時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る猫さん - 初めまして。アイナナ大好きです。三月が好きで推しです (2019年12月30日 12時) (レス) id: 1f3578b759 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイン | 作成日時：2019年11月20日 20時
