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#14 始まり ページ16

いつものように登校すると、ロッカーにあるはずの私の靴が無い。

この時点で、『ん?』とは思っていた。

さらに、教室の机の中にあるはずの教科書も無い。
おまけに、机にはペンで書かれた『調子乗んな』の文字。

………これはもしかして、本当に────。


「あ……、お、おはよ、A」

なんだか気まずそうな友人。

やはりそうだ。

(……私に対するいじめが始まってる)

すぐに原因を探すが、ひとつしか心当たりは無かった。

校内で人気な和泉弟さんと四葉さんとよく一緒にいる私に、嫉妬している。

これしか考えられない。

ああ、だから心配だったのに。
そう思っても、2人を真剣に止めなかったのは私なのだから、非は私にある。

大丈夫、まだ元に戻れる。
犯人が誰かは分からないけれど、あの2人と会うのを止めれば、嫉妬も無くなるはず。

あの2人だってようやくアイドルとして活動が始まったのだから、妙な騒ぎは起こさない方がいいだろう。

2人を巻き込まないで、私だけで解決するんだ。

そのためには───────。

*

「え?」

「──ですから、もう、校内で会うのは止めましょう」

「……唐突ですね。何故ですか?」

「…………」

これを言ってしまうと、2人を傷付けてしまうかもしれない。

だけど、

「迷惑なんです。毎日毎日、会いに来られるのが」

「………は?」

「活動禁止していてやることがないのは分かりますが、それなら学業に専念したらどうですか」

和泉弟さんと四葉さんの表情が怪訝なものに変わってゆき、ずきずき胸が痛む。

「なぁ、あんた……」

「───そんな風に中途半端だから、歌うのも踊るのも禁止にされてしまったんですよ」

「!」

「はぁ!?ふざけんな、どういう────」
「四葉さん!」

口調が荒ぶる四葉さんを、和泉弟さんが諌める。

恐らく今の私の顔を見られたものじゃない。
2人に見えないよう、俯いた。

「─────貴方の気持ちはわかりました。
私たちがアイドルだというのにも関わらず、無責任な行動をした。そう言いたいのですね?」

小さく頷く。

「確かに、自覚が足りていませんでしたね。今後、事務所内以外では会わないようにしましょう」

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作品ジャンル:恋愛
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noppi(プロフ) - 続きも楽しみにしてます!! (2022年5月20日 18時) (レス) @page46 id: b90efc2fe0 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - CloveRさん» コメントありがとうございます!!更新遅いですが頑張りますね…! (2020年4月22日 14時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
CloveR(プロフ) - 神でした!更新頑張ってください!! (2020年4月22日 2時) (レス) id: f7412586d4 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 夢見る猫さんさん» 初めまして!コメントありがとうございます!三月いいですよね!私も好きです!! (2019年12月30日 15時) (レス) id: 5cf2ed8ae6 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る猫さん - 初めまして。アイナナ大好きです。三月が好きで推しです (2019年12月30日 12時) (レス) id: 1f3578b759 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイン | 作成日時:2019年11月20日 20時

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