9：噂のあの子 ページ11
、
ドドドドドドッ
地鳴りのような音とともに砂埃が舞う。
「ユウ！もっと速く走るんだゾ！」
「うわぁぁぁっ！」
俺の目の前を真っ青な顔の一人と一匹が駆けていった。
「おーい！植物園で走るなら運動場に…
…って、もう見えないとこに…」
あれが噂の監督生くんね…。
クロウリー先生曰く『猛獣使い』だとか。
「A」
「…レオナくん」
背後から首に腕を回され、がっちりとホールドされた。
レオナの吐息が耳にかかる。
「……もっと驚けよ」
「十分驚いてると思うけどな〜？」
レオナの尻尾が足に巻き付き、完全にその場から動けなくなった。
「顔に出てねぇんだよ」
グリグリと頭を背中に押し付けられ、くすぐったい。
「ちょっと、くすぐったいってば〜…んっ、」
「レオナさーん！」
声が聞こえた瞬間、レオナくんは何事もなかったかのように涼しい顔で俺から離れた。
「……なんだ、ラギー」
「ったく、補習の時間におくれちゃうっスよ？
目を離した隙にすぐどっか行っちゃうんスから…あ、ルルーディ先生もいたんスね」
「ぁ、ラギーくん！ちょうど良かった〜。
レオナくん連れてってあげてよ」
絶妙なタイミングでラギーが現れた。
…タイミングが良すぎて少しびっくり。
「ﾁｯ…分かってる」
「すんません、ルルーディ先生。
レオナさんはさっき監督生くんに尻尾踏まれて不機嫌なんスよ」
「あー、それはご愁傷さま。
…そりゃ監督生くんがあんなに顔真っ青にするわけだ」
ラギーはレオナに歩み寄る前にふと足を止め、俺をじっと見つめてきた。
「どしたの」と首を傾げると、いつもの間にかすぐ目の前に移動しているラギー。
スンスン
…ん？
ラギーは顔を近づけ、俺の匂いを嗅ぎ始めた。
途端に怪訝そうな顔をするので、若干焦る。
「………レオナさんの匂いがする…」
「へ？」
ラギーが小さな声でボソッと呟いた言葉は、すぐ近くにいるので聞こえてしまった。
「なんでもないっス。レオナさん、早く行きましょ」
「…あぁ」
やはり、彼も獣人族。
聴覚が優れているだろうし、ラギーの言葉が聞こえたのだろう。
レオナとラギーが一瞬だけ睨み合ったように見えた。
、
続く (更新停止中)
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ぽんちょ(プロフ) - kouboukunさん» どんどん渦巻いちゃってください！（？）また近いうちに更新再開しますので！お楽しみに〜 (2020年10月11日 22時) (
レス) id: d7f8510cf0 (このIDを非表示/違反報告)
kouboukun(プロフ) - ふぁっ・・・・・・・・好き。もう、考察ばっかしてる・・・・考察が渦巻いてる（？） (2020年10月11日 21時) (レス) id: 6b5d77f9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんちょ | 作成日時：2020年9月7日 22時
