大切 ページ28
安室サイド
以前彼女が案内した家の前に車を止めた。
僕は今、すやすやと眠っている彼女にどう声を掛けようか悩んでいる。
“じゃあ、私のヒーローになってくださいよ。”
…そのままの意味か?
背に優しく手を当てる。
あたたかく、鼓動を感じた。
傷だらけの彼女の顔を見る。
じゃあ、僕を選んでくれよ。
さらさらの髪をよけ、うなじにキス____
は、出来なかった。
「僕の妹に何かご用ですか。」
「…いえ、起こそうとしていただけですよ。」
沖矢昴…。
邪魔しやがって。
彼女を姫抱きで運んでいく後ろ姿を見届ける。
…僕は、葉月に振り回されてばっかだな。
______________________
赤井サイド
「何で毎回傷付いて帰ってくるんだ…。」
ソファーで膝枕をして彼女を寝かせる。
綺麗な顔にまで傷をつけて…。
俺に連絡しろと、心配していると、あんなに言ったのに…!
いっそ、俺だけのものにしてしまおうか。
輪郭を指でなぞり、葉月に顔を近づける。
ぱか、と急に彼女の目が開いた。
数秒ぽけーとしたあと、凄い勢いで赤面した。
元の体勢に戻り、おはよう、と言うも、理解出来ていないようだった。
「あの…え?こ、これって、お仕置き…みたいな??」
「…お仕置きとして閉じ込めたいくらいだ。
君は無茶ばかりする。」
起き上がり、逃げようとした葉月の腰を掴んで膝の上に乗せた。
彼女の小さな背中を抱き締める。
お、怒ってます…?よね…と恐る恐る聞いてくる。
当たり前だろう。
「何で自分を犠牲にするような行動を取るんだ。
それに、俺に連絡しろとあれほど…!!」
「いや、あの…、私じゃあれくらいしか思い付かなくて…。
…でも、赤井さんならなんとかしてくれるかな、みたいな…」
「ああ。あの男の脳天を貫きたかったよ。」
ひょえ…と変な声をあげた。
だが、そんなことをしたら君にトラウマを植え付けてしまうだろう。
俺は自分はどうなっても良い。
もう傷付かないでくれ、もう、失わせないでくれ…。
更に強く、抱き締めた。
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いちご飴(プロフ) - 素敵な作品見つけた…だと思ったら終わってた、、いつか更新してくださるのをずっと待ってます! (2月11日 16時) (レス) @page41 id: 9ae4f8b3c5 (このIDを非表示/違反報告)
狐 - ずーっと待ってます……!! (5月19日 20時) (レス) @page41 id: 59d78921c3 (このIDを非表示/違反報告)
あ - お、おわった…w (2022年7月28日 5時) (レス) @page41 id: fa9b0d5a55 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - コナンくんの破壊力えぐいです。 (2022年7月25日 8時) (レス) id: 32b67605f3 (このIDを非表示/違反報告)
カイセイ - 終わらないでぇぇ… (2022年4月24日 18時) (レス) @page41 id: 7be9c28f97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆるり。 | 作成日時:2019年7月14日 20時