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影の動き ページ36

安室サイド
人気のない通りに車を停め、シートベルトを外す。
遠くに見える車のライトを眺めながら、彼女の言葉を反芻した。


“安室さん、もっとちゃんと安室さんした方が良いですよ。”


どういう、意味だ…
彼女は僕以外を知っている…?

動揺して隠しきれていなかったか。

何故僕は、あの少女にこんなに振り回されているんだ…
らしくない。
今の僕は安室透。

恋愛なんてものに現を抜かしている場合じゃないだろう。


余計なことを考えるのは止めようと、溜め息を吐きながら前髪をかきあげる。
右手で自分の瞳と同じ色のネクタイを緩めると、同時にスマホが震えた。

一呼吸置いて、電話に出た。





《今日貴方と一緒にいた少女のこと、詳しく教えて頂戴。》





「…秘密主義の僕が、そう簡単に話すと思いますか。

しかし、貴女が一般人に興味を持つなんて珍しいですね、ベルモット。」





電話口の向こうの女はくすりと笑った。

なんとか冷静に答えてはいるが、まさかこの女から彼女のことを聞かれるなんて思わず、心臓がうるさく鳴り出した。


何故葉月のことを聞いてきた?

僕が質問するより早く、意外とあっさり動機を示した。
が、僕にとっては最悪だった。





《ジンがあの少女のことが気になっているって。》





ジンが…!?何で…!!


僕が銃を持った男に対峙していれば、彼女が目に留まることは無かったのか?

心配しているなんて言っておきながら、俺のせいで危険な目に遇わせるのか…!?

ドクドクと鼓動が体内に反響し、唇を噛み締める。


今までも巻き込まれることはあったが何とか助かった。
だが、相手が奴らならどうだ?
俺でさえ、今この瞬間にも殺されても可笑しくない。

唇に痛みを感じながら、口を開いた。





「一般人を組織に入れるのには賛成出来ませんね。
僕から言えるのはそれだけです。」





ベルモットは曖昧に返事をすると、電話を切った。

僕の声は震えていなかっただろうか。
完全に静寂を取り戻した世界に息をゆっくりと吐く。

唇を親指で拭うと、少し濡れていた。

…この色は、彼女に似合わない。

本能で感じた→←ライバル関係



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いちご飴(プロフ) - 素敵な作品見つけた…だと思ったら終わってた、、いつか更新してくださるのをずっと待ってます! (2月11日 16時) (レス) @page41 id: 9ae4f8b3c5 (このIDを非表示/違反報告)
- ずーっと待ってます……!! (5月19日 20時) (レス) @page41 id: 59d78921c3 (このIDを非表示/違反報告)
- お、おわった…w (2022年7月28日 5時) (レス) @page41 id: fa9b0d5a55 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - コナンくんの破壊力えぐいです。 (2022年7月25日 8時) (レス) id: 32b67605f3 (このIDを非表示/違反報告)
カイセイ - 終わらないでぇぇ… (2022年4月24日 18時) (レス) @page41 id: 7be9c28f97 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆるり。 | 作成日時:2019年7月14日 20時

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