予告状 ページ34
「お嬢さん。
彼女かこの
左腕に気を失った花凛を、右手には彼のお目当てである大きなルビーの嵌められたバングルを持ちながら私に問い掛けた。
そんなの決まってる。
花凛を返してもらおうとゆっくりと歩み寄る。
答える前に、分かっていたとでも言うようにキッドが妖しい笑みを浮かべた。
「では、今回は貴女の選択に称賛として、この宝石もお返ししましょう。
ただし次は、その宝石と、貴女を___」
キッドが言葉を紡ぐ前に、確保の号令が掛かった。
彼は花凛を私に預けると、マントを翻した。
風のように夜の闇に遠ざかっていく。
彼が小さくなった後、私は何かを握っていることに気付いた。
トランプの様なカード。
“金色の月が浮かぶ頃
絆を選んだ金の輪の少女
を戴きに参上します”
葉月さん?と声を掛けられる。
いつの間にか、安室さんが肩越しに手元を覗いていた。
一気に音が世界に戻ってきた様な感覚になった。
ってそれより、花凛を寝かせてあげなきゃ…!!
「…そのバングル、あの怪盗が狙っていたものですよね?」
花凛を後部座席に寝かせ、家まで送る車の中。
運転席の安室さんが私の左手に嵌まった金色の腕輪を見て聞く。
…そうなんだよな。
何故か抜けないんだよな、この腕輪。
何???何で???
安室さんの力でも取れなかった。
そういうことだよ………。
これで私は2億の女って訳ですね…とへらりと笑いながら言うと、彼は眉間にシワを寄せた。
貴方何億の男だっけ…頭痛くなってきたわ…
「狙われる危険性が増えたんです。
そんなこと言ってる場合じゃありませんよ。」
ほへ、優しい。
2億の女になったから媚売っとこうみたいな??
いや違うか。え、違うよね!??
「あの…意外と心配、してくれてます…?」
こちらをちらっと見ると、無言で公園の近くに車を停めた。
え、何!?何か地雷踏んだ!?
無言&仏頂面でゆっくりと距離を縮められる。
降谷零の顔じゃん!!やめて!!!顔が良い!!!
気付いたら、安室さんの香りに包まれていた。
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いちご飴(プロフ) - 素敵な作品見つけた…だと思ったら終わってた、、いつか更新してくださるのをずっと待ってます! (2月11日 16時) (レス) @page41 id: 9ae4f8b3c5 (このIDを非表示/違反報告)
狐 - ずーっと待ってます……!! (5月19日 20時) (レス) @page41 id: 59d78921c3 (このIDを非表示/違反報告)
あ - お、おわった…w (2022年7月28日 5時) (レス) @page41 id: fa9b0d5a55 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - コナンくんの破壊力えぐいです。 (2022年7月25日 8時) (レス) id: 32b67605f3 (このIDを非表示/違反報告)
カイセイ - 終わらないでぇぇ… (2022年4月24日 18時) (レス) @page41 id: 7be9c28f97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆるり。 | 作成日時:2019年7月14日 20時