死神も公安もFBIも黒の組織も近付かないでください！【名探偵コナン】

犠牲 ページ26

コナンサイド
体のあちこちに痛みを感じながらもなんとか起き上がる。


何で、何で彼女はあんな…、自分を犠牲にするようなことを…！

スマホは手元にある。

だけど、拳銃を持った男は店内をずっと監視している。
葉月にその銃口を向けながら。


クソッ、何とかして気を反らせられれば…
でも、刺激したら葉月が危ない…！


男が彼女に何かを指示した。
彼女がゆっくり立ち上がる。



すると_______


男が、葉月を殴った。



店が再び悲鳴に包まれる。
やめろ、やめろ…！！！！

何度も立ち上がり、何度も倒れる。


叫びたくなるのを歯を食い縛って堪える。

彼女は俺に、“解決は頼んだ”と伝えた。
俺がここで出て行ったら…！


辺りを見回す。
犯人の1人は葉月の相手、もう1人は姿が見えない。

今しかない。


スマホの画面には“安室さん”の文字。
コール音を何分も、何十分も聞いているような感覚になる。

早く、早く出てくれ…！！

向こうの音が聞こえた。
繋がった…！





「安室さん、大変なんだ…！！」





素早く状況を伝え、通話を切る。





「俺はこういうすました顔した女が1番嫌いなんだよなァ。
俺みたいな底辺犯罪者にボコられる気分はどうよ、姉ちゃん。」





すました顔…？
俺の身代わりになった時、青ざめてたのに気付かなかったのか…！？
クソ、俺がこんな体じゃなけりゃ…！！

もう1人の男がバックヤードから出てきた。
車の準備が出来たらしい。


“じゃあ、用済みだな。”と男が葉月のこめかみに銃を当てる。
彼女は諦めたかのようにぽろぽろと涙を流している。

だめだ、絶対にそんなことはさせない…！！

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