01.焦がれる....狐 ページ1
外から聞こえる運動部の声をBGMにして先生の言葉を聞き流す。カツカツと黒板に文字が綴られて、それを頬杖をして横目で見る。オレンジ色の夕日が眩しい。名前を呼ばれた気がするが私の耳には届いていない。
「Aさん」
机の上に教科書を置かれた音で意識が前に移る。無駄に背の高い先生を見上げると顔を顰められたので多分睨んだように見られたのだろう。こういう時に目つきの悪いと不便だ。
「ちゃんとしな終わりませんよ」
「はぁい」
やる気のない返事をしてペンを持ち直した。ノートと黒板を交互に見て、やっている風を装う。先生はまた黒板に文字を書き出した。低い心地の良い声で、ゆっくりと話されて眠くなってくる。けどここには私しか居ないから寝てしまえば直ぐに気付かれてしまう。ただでさえこの人は他人に鋭いところがあるんだ。
うとうととしながらも、なんとかノートを取り終える。早く帰りたい。朝早くから来ていてどうして遅くまで残らないといけないんだ。全てはこの人のせいだ。自分の成績が悪いせいなのに人のせいにして自分を正当化した。
それに気付いてるのか気付いていないのかは知らないがチョークを置いて私を見る。一瞬目が合うが直ぐに逸らして、真面目にしてますよアピール。本当は半分も写し終わっていない。
「お疲れ様」
目の前まで来て私のノートを見ているはずなのにかけられた言葉に首を傾げる。顔を上げて先生を見ると思わず息を呑んだ。夕日に照らされた無駄に整った先生の顔、緩やかに微笑んだそれと絶妙にマッチしていて、言葉が出ない。
でもそれはたった一瞬の出来事で、次の瞬間にはいつも通り仏教ヅラの先生がそこにいた。幻なんじゃないかと疑ってしまうように短い時間で、普段じゃありえないものだった。
今日はもう終わりと告げた先生の言葉に、何故だか鼓動が早くなる。私の顔を見ずに教室を出た先生の背中を眺めて、自分の胸に手を当てた。
この気持ちは、一体…？
*焦がれる。
next→追いかける。
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來希(プロフ) - 珠里さん» じゃあ詳しくはツイッターで！ (2015年10月7日 12時) (
レス) id: 2f0b1601a1 (このIDを非表示/違反報告)
珠里(プロフ) - 來希さん» うわああ！ぜひ！！ ありがとうございます！！ (2015年10月7日 11時) (レス) id: abad90d4a2 (このIDを非表示/違反報告)
來希(プロフ) - 珠里さん» コラボしましょう！私なんかでよければ！ (2015年10月7日 10時) (レス) id: 2f0b1601a1 (このIDを非表示/違反報告)
珠里(プロフ) - 大変厚かましいのですが、コッ、コラボしたいです(/_;)!! (2015年10月7日 4時) (レス) id: abad90d4a2 (このIDを非表示/違反報告)
來希(プロフ) - 珠里さん» コメントありがとうございます！文がごちゃごちゃしてると思っているのですがそう言ってもらえて嬉しいです(^o^)ゆっくり更新にはなりますが頑張りますのでどうかよろしくお願いします！ (2015年10月4日 11時) (レス) id: 2f0b1601a1 (このIDを非表示/違反報告)
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