【仮面ライダー】君のいる未来…3【短編集】

Shall we dance？【乱れた】天津垓:リク ページ11

夢主=天津の秘書 兼 許嫁

夢主視点
『失礼します。社長、書類をお持ちしました』
「あぁ、ありがとうございます。それと、ここでは社長と呼ぶのではなく名前で呼び合う約束では？」


旦那であり、一会社の社長(上司)である垓の部屋へ会社から届いた追加の書類と、先程 焼きあがったばかりのクッキーと淹れたての紅茶を持って扉を開ける。が、会社での癖が抜けずに彼をまた"社長"と呼んでしまう。


『ごめんなさい。無意識で社長と呼んでしまったの…クッキーを焼いたから、紅茶と一緒に持ってきたわ。1度休んだらどうかしら、垓』
「無意識で、ですか…えぇ、香ばしい香りがここまで届いていましたよ。書類と紅茶はこちらにください」


最初に呟いた言葉はよく聞こえなかったものの、ニコニコと愛想のいい笑顔を浮かべる彼の指示通りに客人用のテーブルへティーセットの乗ったトレイを置き、紅茶と書類を彼の仕事机へ持っていく。恐らくクッキーはゆっくり味わうために後で食べるのだろう。


「ありがとうございます。今日もいい香りですね、Aの淹れた紅茶はどんな高級品よりも価値が高い。1000％、貴女以上に紅茶を淹れるのが上手い方はいないでしょうね」
『世辞が過ぎるわ。でも、垓に言って貰えるのは嬉しい』


上品に紅茶の香りを楽しみ、口に含む彼に言われてしまうと世辞と思っていても自分でも上手くなったと思うから、惚れた弱みとは恐ろしい(多分、違う)。


「貴女も飲みますか？」
『私は後で戴くわ。まだやることが……うむっ！』


丁寧に断り、掃除でもしようかとそう言えば片手を掴まれいつの間に立っていたのか隣にいた彼に引き寄せられ、口を重ねる。喋っていた途中というのもあり、口は開いたままで口内に丁度いい温度になった紅茶が香りとともに侵入してくる。


戸惑いつつも飲み干すと、彼の舌が入り込み残った紅茶の味を味わい尽くすかのように口内を蹂躙し、離れようにも後頭部と腰に回った手によって離れることは叶わない。


ようやく口元から彼の熱が離れた時には両足が震え、息が上がり、彼しか目に映らなくなってしまっていた。


Shall we？


妖しく見つめてくる彼の口から呟かれた営みの誘い文句。Noならば『次にご期待を』と返し、Yesならば…


「無言は肯定とみなしますよ」
賢くずるい人だ…こんな状態でまともに話せるわけない。


抱き上げられ、彼の手によって肌蹴ていくブラウスに抵抗もせずに彼の手を受け入れる。


踊ってあげますよ…

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