呼ばれたイベントに推しがいる【キ.ヨ】【ま.ふ.ま.ふ】

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キヨ「どした？大丈夫か？」

『あ、うん…ちょっとスタッフさん達がすごくて…』

キヨ「あー、俺も。」



キヨはみんながいないところではオフなのか、いつもより声が落ち着いてて優しげな声だった。



キヨ「なんかされた？」

『まぁ足触られたくらい』

キヨ「うわキモ。あとで上に言っといてやるよ」

『いや、いいよ！酔ってるだけだろうし』

キヨ「よくねぇよ、それ普通にセクハラだから。怖かっただろ」



そう言ってキヨは頭を撫でる。
キヨって頭撫でるの好きなのかな。
よく撫でられてる気がする。



キヨ「ってこれもセクハラになるか」

『え！キヨに触られるのは嫌じゃないよ…』

キヨ「あっそ。……ちょっと散歩しようぜ」



"ぎゅっ"



慣れたように。ごく自然に。キヨは私の手を引いた。

胸がはね上がった。鼓動が早くなった。私の鼓動が手から伝わっちゃいそう。

少し前を歩くキヨは、やっぱりかっこよくて。
彼女になったらこの景色がいつでも見られるんだろうな、なんて考えてしまう。



『き、キヨ…』

キヨ「あの映画、見たの？」

『え、あ、今日もらってたやつ？』

キヨ「そう」

『見てないよ！すごいみたいの』

キヨ「ふーん…一緒に行くか？二枚もらったし」

『え、でもせっかくキヨがもらったやつなのに…』

キヨ「嫌なら他のやつ誘うけど」

『い、嫌じゃない！行きたい！』

キヨ「じゃあ行こう。二人で」

『……うん』



私、多分気づいてる。
この気持ちが憧れだけじゃないこと。
まふくんのときは感じないこの温かくて苦しい気持ち。

私のこと心配してくれるのが嬉しい。
構ってくれることが嬉しい。
こんな風に二人で散歩出来てすごく嬉しい。
私を映画に誘ってくれるのも嬉しい。
優しい手の繋ぎ方が嬉しい。

いろんな面を知ってくたびに溢れるような温かさが胸に広がる。

…私きっと、キヨが好きだ。




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