呼ばれたイベントに推しがいる【キ.ヨ】【ま.ふ.ま.ふ】

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『はぁ…はぁ…っ…』



私は気づけば何かから逃げていた。それが何かもわからない。
ただ、怖くて暗闇の中をひたすら走る。

誰か…誰か…！

息が苦しくて、暗くて、怖くて、進んでるかもわからない。
どっちが前でどっちが後ろか、それすらももうわからない。

前方に数人誰かがいるのが見えた。

……まふくん達だっ！



『…っ助けて！』

まふ「は？なんで？」

『えっ…』

キヨ「というか何？」

フジ「なんで話しかけてんの？」

そら「関わんないで欲しいよね」

『な、んで……』

レト「え、みんな嫌いやで？ｗ」

天月「気づいてなかったの〜？」



違う、そんなこと言うはずない。
違う、違う、怖い、やめて……！



――――…ちゃん…、A…ちゃん……！



「Aちゃんっ！！」

『…っ！ま、ふくん…？』

「大丈夫！？すごくうなされてたみたいだけど、怖い夢でも見た…？」

『まふ…くん…』



上体を起こしてまふくんを見る。

不安そうに見つめる目を見て、やっと今のが夢だとわかる。
その途端、鼻の奥がツーンとして、大粒の涙がポロポロこぼれた。



「えっ！ど、どうしたの〜！」

『まふくんまふくん…』

「よしよし…怖かったね…大丈夫だよ〜」



止まらない涙をまふくんはただぬぐってくれていた。



『うぅ…嫌いじゃない…？』

「えー！なんで？嫌いじゃないよ！よしよし、ほら、おいで？」



ぎゅ。

おいで、と言う間に私はまふくんに抱きしめられていた。
ポンポンとなだめるように背中を叩く。



「大丈夫だよー、大好きだよ…」

『みんなに嫌いだから関わらないでって言われて…』

「熱あると怖い夢見ちゃうよね。大丈夫、次は幸せな夢に出られるように練習しとくね」

『ふふ…練習ってなに』

「あ、笑ったー」



ポンポンしていた手を止めて、ぎゅーっと抱きしめられたあとに、まふくんは体を離した。



「みんなAちゃんのこと大好きだから、心配することないよ」



そう微笑んで、頭を撫でてくれた。



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