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CROWN No.168 ページ18






あれよあれよと言う間に支度が終わって、気づけばステージ裏。
さすが相田さん、手際がよすぎる。
頭の編み込みの部分にはリボンがあしらわれ、背中が大きく開いたシルク色のドレス。
普段着ることがないから足元が安定しないし、裾を踏みそうでどうしても視線が下を向く。



今ステージでは、オープニングアクトである世界的DJがパフォーマンスをしている。









相田「貴方はただ身を任せて。委ねるだけでよいのです」









相田さんはステージ裏で、にっこり笑ってそう言った。
いつもはあまり表情を表に出さない相田さん。
笑ってもふっと口角を上げるだけなのに、今回は目尻まで笑っていた。



それはイベントに関して、メンバーに対して身を委ねよと言うことなんだろうけど、今の私にとっては、それは "相田さんを" 頼って、と言う風にも聴こえた。



テンションが絶頂に達している観客席。
今も耳に流しっぱなしで焼きつけているあの曲。
かたかたと震える手。
小声で音程の確認をするけれど、口周りの筋肉が上手く開いてくれない。









A「相田さん」


相田「はい」


A「30秒だけ」









スーツの裾を掴んで、か細い声で呟いた。
少し目を丸めた後、相田さんはいいですよと言った。
集中できてない……私の中で雑念が邪魔をする。
『隼様のことは、後でお考えになってください』



深く深呼吸。
イヤホンから流れ込む曲はちょうど終わった。
ステージ上では、あのDJもパフォーマンスを終え、拳を振りかざしていた。
どこかへ行ってしまった相田さんと入れ替わるように私の隣に並ぶのは、 "彼ら" 。









メンディー「リラックスしてね」


龍友「無理はせん程度にな」


涼太「途中から俺達も入るから」


玲於「しくんじゃねえぞ」


裕太「……応援してんで」


亜嵐「そいじゃまあ、行きますか」


隼「Aちゃん」









最後に隼に名前を呼ばれ、私は顔を上げる。
私より後にステージに出るのに、私を先導してくれる。
こんなに嫌いな彼らなのに、なんて妖艶で頼もしいのだろう。
心臓が締めつけられる感覚に、私は思わず眉が歪む。








隼「ぶっさいく笑」


A「緊張してるんだけど」









手を口元で丸めて笑う隼。
"いつもの" 隼だ……



『頑張ろう、お互いに』
そんな視線を交わして、私は視界の言葉を続いてステージに上がる。
今宵は私のため王冠にもなりそうな予感。
その予感は、早くも当たりそう。




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もも - 面白いです!更新お願いします! (2021年1月24日 23時) (レス) id: 0e215cea34 (このIDを非表示/違反報告)
iro(プロフ) - コメント初めてさせてもらったので言葉とか変だったらすみません。また何回も読み返してゆっくり更新待っているので頑張ってください!! (2020年12月29日 2時) (レス) id: c0e332dce1 (このIDを非表示/違反報告)
iro(プロフ) - 4回くらい読み返させてもらってます!!何回読んでも最高で、最後まで読んでは続きがはやく読みたいーって1人で騒いでますwゆっくりでいいですが、できたらはやく続き読みたいです(言ってること矛盾しててすみません)あとオチは佐野玲於だと嬉しいです。 (2020年12月29日 2時) (レス) id: c0e332dce1 (このIDを非表示/違反報告)
かな - ゆっくりでいいので更新待ってます!亜嵐くん落ち希望です! (2020年10月26日 18時) (レス) id: 95ffd40df7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 隼くん落ち期待しています!! (2020年10月21日 21時) (レス) id: 1c9bc00d48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kyoh. | 作成日時:2019年1月24日 4時

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